HIV/AIDS関連情報
2006年8月24日(木) ナナのホテルで売春婦が殺害される
バンコク週報1232号(2006年8月21日)によりますと、8月11日、バンコクのスクンビッド通りの繁華街ナナのホテルの一室で、サムットプラカン県出身の29歳の女性が殺害されているのが発見されました。
警察の調べから、この女性は中東系とみられる男性とふたりでホテルを訪れ、2時間のショートタイムで部屋を借りたそうです。調べから、殺された女性はBTS(スカイトレイン)のナナ駅周辺にたむろする売春婦と断定。客の外国人男性と金銭交渉でトラブルになり殺害されたとみて、ナナ駅周辺を中心に聞き込み捜査を進めている、とのことです。
ナナ駅周辺は、外国人を相手にした売春婦がたくさんいるところです。GINAがおこなった調査でも、ナナ駅周辺にたむろする女性たちも対象としました。(この調査結果は近日発表する予定です。)
(谷口 恭)
警察の調べから、この女性は中東系とみられる男性とふたりでホテルを訪れ、2時間のショートタイムで部屋を借りたそうです。調べから、殺された女性はBTS(スカイトレイン)のナナ駅周辺にたむろする売春婦と断定。客の外国人男性と金銭交渉でトラブルになり殺害されたとみて、ナナ駅周辺を中心に聞き込み捜査を進めている、とのことです。
ナナ駅周辺は、外国人を相手にした売春婦がたくさんいるところです。GINAがおこなった調査でも、ナナ駅周辺にたむろする女性たちも対象としました。(この調査結果は近日発表する予定です。)
(谷口 恭)
2006年8月24日(木) バンコクで薬物一斉取締り
バンコク週報1232号(2006年8月21日)によりますと、バンコク首都圏警察は、8月13日から14日未明にかけ、バンコクで薬物の一斉摘発を実施し、容疑者26人を逮捕しました。約100人の警察官を投入し、都内のクロントイ区、クロンタン区などの民家を家宅捜索したそうです。
押収された薬物は、メタンフェタミン約20万錠、ヘロイン1キロ、アイス(クリスタル・アンフェタミン)5.5キロなど、であると報道されています。
首都圏警察ウォンコット副長官によると、バンコクではプラカノン区、トンブリ地区の一部で薬物密売が拡大しており、取り締まりの強化が検討されているそうです。
タイが再び薬物天国と言われることのないよう、警察に期待したいものです。
(谷口 恭)
押収された薬物は、メタンフェタミン約20万錠、ヘロイン1キロ、アイス(クリスタル・アンフェタミン)5.5キロなど、であると報道されています。
首都圏警察ウォンコット副長官によると、バンコクではプラカノン区、トンブリ地区の一部で薬物密売が拡大しており、取り締まりの強化が検討されているそうです。
タイが再び薬物天国と言われることのないよう、警察に期待したいものです。
(谷口 恭)
2006年8月23日(水) まるで犬?! ナイジェリアのHIV陽性者
8月18日付けのBBCニュース(Website版)に、「まるで犬のような扱い」というタイトルで、ナイジェリアのHIV陽性者の実情が報告されていますので、ここにご紹介します。
この記事では、HIV陽性の二児の母親が取材されています。
**********************************
私がHIVに感染しているのが分かったのは妊娠4ヶ月のときでした。ナイジェリアでは、感染者に対する差別がひどく、私は自殺を考えました。
自分の家族に感染を告げたとき、母親は理解を示してくれましたが、夫は私を家から追い出そうとしました。
しかし、自分の息子に、「もうすぐ生まれてくる子供はどうなるの?」、と言われ出産することを決意しました。
ナイジェリアでは、HIVに感染していると仕事を得るのはほぼ絶望的で、家族から家を追い出されることも珍しくありません。
出産のために病院に入院したとき、私のベッドにとりつけられたカードには「WXYZ」と書かれていました。後に、これがHIV陽性であることを示す病院内の暗号であることが分かりました。
母子感染を防ぐためには帝王切開をおこなうべきです。しかし、この病院では医療従事者が私から感染するのを防ぐために帝王切開はしてもらえませんでした。看護師は私のそばに来ることすらもせず、私は痛みを感じてもどうすることもできませんでした。ひとりの医師がやってきてようやく出産、そして痛みを取り除いてもらうことができました。幸運なことに、私のふたりめのその子供はHIV陰性でした。
最近、私の友人がエイズで亡くなりました。
この友人の夫はHIV陽性で、以前から病院で薬を処方されていましたが、自分の妻である私の友人にはそれを告げてなかったのです。やがて彼女はエイズを発症し、4歳になる娘を残して亡くなりました。
私たちの社会では、女性がコンドームを求めることはむつかしいのです。もしも女性がコンドームの話をすれば、その女性は売春婦と思われてしまうのです。そして、自分の夫にコンドームを使うように言えば、きっとこう言われるでしょう。
「オレはお前に命令されるために結婚したのか?」
この国ではエイズを発症してしまったという「恥」から抜け出すためには「死」しかありません。
私はNGOのおかげで薬を入手することができましたが、私のように治療を受けることができる幸せな人は、この国ではまだほんのわずかしかいません。
**********************************
「HIV陽性者は帝王切開をしてもらえずに看護師からも無視される」
「女性がコンドームの話をすれば売春婦とみなされる」
にわかには信じられないような話です。いったいいつになれば、こういった馬鹿げたスティグマがなくなるのでしょうか・・・。
(谷口 恭)
この記事では、HIV陽性の二児の母親が取材されています。
**********************************
私がHIVに感染しているのが分かったのは妊娠4ヶ月のときでした。ナイジェリアでは、感染者に対する差別がひどく、私は自殺を考えました。
自分の家族に感染を告げたとき、母親は理解を示してくれましたが、夫は私を家から追い出そうとしました。
しかし、自分の息子に、「もうすぐ生まれてくる子供はどうなるの?」、と言われ出産することを決意しました。
ナイジェリアでは、HIVに感染していると仕事を得るのはほぼ絶望的で、家族から家を追い出されることも珍しくありません。
出産のために病院に入院したとき、私のベッドにとりつけられたカードには「WXYZ」と書かれていました。後に、これがHIV陽性であることを示す病院内の暗号であることが分かりました。
母子感染を防ぐためには帝王切開をおこなうべきです。しかし、この病院では医療従事者が私から感染するのを防ぐために帝王切開はしてもらえませんでした。看護師は私のそばに来ることすらもせず、私は痛みを感じてもどうすることもできませんでした。ひとりの医師がやってきてようやく出産、そして痛みを取り除いてもらうことができました。幸運なことに、私のふたりめのその子供はHIV陰性でした。
最近、私の友人がエイズで亡くなりました。
この友人の夫はHIV陽性で、以前から病院で薬を処方されていましたが、自分の妻である私の友人にはそれを告げてなかったのです。やがて彼女はエイズを発症し、4歳になる娘を残して亡くなりました。
私たちの社会では、女性がコンドームを求めることはむつかしいのです。もしも女性がコンドームの話をすれば、その女性は売春婦と思われてしまうのです。そして、自分の夫にコンドームを使うように言えば、きっとこう言われるでしょう。
「オレはお前に命令されるために結婚したのか?」
この国ではエイズを発症してしまったという「恥」から抜け出すためには「死」しかありません。
私はNGOのおかげで薬を入手することができましたが、私のように治療を受けることができる幸せな人は、この国ではまだほんのわずかしかいません。
**********************************
「HIV陽性者は帝王切開をしてもらえずに看護師からも無視される」
「女性がコンドームの話をすれば売春婦とみなされる」
にわかには信じられないような話です。いったいいつになれば、こういった馬鹿げたスティグマがなくなるのでしょうか・・・。
(谷口 恭)
2006年8月23日(水) 300人に1人のエイズを発症しないHIV陽性者
先日トロントで開催された第16回国際エイズ会議で、エイズを発症しないHIV陽性者に関する報告がありましたのでご紹介します。
8月16日のCNN.comによりますと、この報告はハーバード大学のウォーカー教授によっておこなわれました。
ウォーカー教授の研究では、HIVに感染してもエイズを発症しない人は、およそ300人に1人の割合で存在し、この幸運な陽性者たちを「エリート」と呼んでいるそうです。
同教授は、すでに200人の「エリート」の調査をおこなっており、北アメリカや他国の研究者と協力して、今後1000人の調査をおこなうことを目標としています。同教授の試算では、全米にはおよそ2000人のこの「エリート」が存在するそうです。
この研究が進んで遺伝子レベルでの解析がおこなわれれば、エイズを発症しないメカニズムが解明され、将来的にはワクチンや治療薬に応用できるのではないかと期待されています。
日本にはこのような「エリート」の報告はまだないようですが、今後の研究に注目したいところです。ただ、「エリート」は、自分自身はエイズを発症しないとしても、他人に感染させることには変わりありません。
(谷口 恭)
8月16日のCNN.comによりますと、この報告はハーバード大学のウォーカー教授によっておこなわれました。
ウォーカー教授の研究では、HIVに感染してもエイズを発症しない人は、およそ300人に1人の割合で存在し、この幸運な陽性者たちを「エリート」と呼んでいるそうです。
同教授は、すでに200人の「エリート」の調査をおこなっており、北アメリカや他国の研究者と協力して、今後1000人の調査をおこなうことを目標としています。同教授の試算では、全米にはおよそ2000人のこの「エリート」が存在するそうです。
この研究が進んで遺伝子レベルでの解析がおこなわれれば、エイズを発症しないメカニズムが解明され、将来的にはワクチンや治療薬に応用できるのではないかと期待されています。
日本にはこのような「エリート」の報告はまだないようですが、今後の研究に注目したいところです。ただ、「エリート」は、自分自身はエイズを発症しないとしても、他人に感染させることには変わりありません。
(谷口 恭)
2006年8月23日(水) 小規模支援がHIV/AIDS患者の生活を向上
第16回国際エイズ会議で、World Vision CanadaというカナダのNGOが、小規模支援(Microfinance Projects)の効果について報告をおこない、それをカナダのメディアGlobe and Mailが8月15日に報道しましたのでここにご紹介します。
World Vision Canadaは、昨年一年間で合計47個の小規模支援をおこない、国際エイズ会議では、ケニアやホンデュラスなどでの例が報告されたようです。
小規模支援をおこなった結果、感染者が仕事をおこなえるようになり、健康状態や栄養状態が改善し、薬剤を入手しやすくなり、さらに、HIVに関連したスティグマが減少したそうです。また、教育にも力を入れ、若い世代のリーダー育成もおこなっているようです。
Globe and Mailは、HIV/AIDSの問題が深刻な地域で小規模支援が「非常に重要な役割を果たしている」と述べています。
GINAが現在おこなっているのも、まさに「小規模支援」で、感染者の仕事の応援や、患者さんひとりひとりの立場からみた支援をおこなっています。逆に、大病院や地域の行政に多額の寄附をおこなう、といったようなことはしていません(現在のGINAの規模では不可能です・・・)。
GINAは今後も、「草の根レベルの支援」にこだわりをもっていきたいと考えています。
(谷口 恭)
World Vision Canadaは、昨年一年間で合計47個の小規模支援をおこない、国際エイズ会議では、ケニアやホンデュラスなどでの例が報告されたようです。
小規模支援をおこなった結果、感染者が仕事をおこなえるようになり、健康状態や栄養状態が改善し、薬剤を入手しやすくなり、さらに、HIVに関連したスティグマが減少したそうです。また、教育にも力を入れ、若い世代のリーダー育成もおこなっているようです。
Globe and Mailは、HIV/AIDSの問題が深刻な地域で小規模支援が「非常に重要な役割を果たしている」と述べています。
GINAが現在おこなっているのも、まさに「小規模支援」で、感染者の仕事の応援や、患者さんひとりひとりの立場からみた支援をおこなっています。逆に、大病院や地域の行政に多額の寄附をおこなう、といったようなことはしていません(現在のGINAの規模では不可能です・・・)。
GINAは今後も、「草の根レベルの支援」にこだわりをもっていきたいと考えています。
(谷口 恭)