HIV/AIDS関連情報
2006年8月30日(水) オーストラリア、子宮頚癌のワクチン無料接種
8月28日付けのNEWS.COM.AUによりますと、オーストラリアでは、子宮頚癌の原因ウイルスと考えられているヒトパピローマウイルス(HPV)のワクチン接種が無料でおこなえるようになりました。
ワクチン無料接種の対象は、オーストラリアの12歳から26歳の全女性です。TGAと呼ばれる薬品管理委員会(The Therapeutic Goods Administration)は、9歳から15歳の男性への適応も承認していますが、現段階では、無料でワクチン接種をおこなえるのは女性のみとなっています。
また、27歳以降の女性の適応については今後検討していくそうです。
HPVのワクチンについては、日本も現在治験中であり、近いうちに実用化される見通しです。ただし、オーストラリアのように無料で接種できるようになるかどうかは未定です。
(谷口 恭)
ワクチン無料接種の対象は、オーストラリアの12歳から26歳の全女性です。TGAと呼ばれる薬品管理委員会(The Therapeutic Goods Administration)は、9歳から15歳の男性への適応も承認していますが、現段階では、無料でワクチン接種をおこなえるのは女性のみとなっています。
また、27歳以降の女性の適応については今後検討していくそうです。
HPVのワクチンについては、日本も現在治験中であり、近いうちに実用化される見通しです。ただし、オーストラリアのように無料で接種できるようになるかどうかは未定です。
(谷口 恭)
2006年8月30日(水) オーストラリアでHIV陽性の歯科医
8月24日付けのNEWS.COM.AUによりますと、オーストラリア、クイーンズランド州の公立病院で働く歯科医(報道では「若い女性」となってます)が、8月22日にHIV陽性であることが分かりました。
この歯科医がHIVに感染したのは昨年12月の可能性が強いそうです。そのため、クイーンズランド州では、この間にこの歯科医の診察を受けたおよそ600人の患者に対して、HIVの抗体検査を受けるよう呼びかけています。
州政府は、「600人の患者全員がHIVの検査を受けるのが望ましい」、としながらも、「治療行為でHIVに感染する可能性は極めて低い」、というコメントをしています。
また州政府は、この若い歯科医が正直にHIV陽性であることを告白したことを高く評価しています。この歯科医は、今後歯科診療をおこなうことはできなくなりますが、保健関係の仕事が州から与えられるそうです。
正直に感染を告白した歯科医を「評価」した州政府も「評価」されるべきだとは思いますが、同じような感染経路のHBV(B型肝炎ウイルス)、HCV(C型肝炎ウイルス)、HTLV-1(成人T細胞白血病ウイルス)などが陽性の歯科医には、同じ対応をしていないと思われます。
なぜHIVだけがこんなにも特別な対応をされなければならないのでしょうか・・・。
(谷口 恭)
この歯科医がHIVに感染したのは昨年12月の可能性が強いそうです。そのため、クイーンズランド州では、この間にこの歯科医の診察を受けたおよそ600人の患者に対して、HIVの抗体検査を受けるよう呼びかけています。
州政府は、「600人の患者全員がHIVの検査を受けるのが望ましい」、としながらも、「治療行為でHIVに感染する可能性は極めて低い」、というコメントをしています。
また州政府は、この若い歯科医が正直にHIV陽性であることを告白したことを高く評価しています。この歯科医は、今後歯科診療をおこなうことはできなくなりますが、保健関係の仕事が州から与えられるそうです。
正直に感染を告白した歯科医を「評価」した州政府も「評価」されるべきだとは思いますが、同じような感染経路のHBV(B型肝炎ウイルス)、HCV(C型肝炎ウイルス)、HTLV-1(成人T細胞白血病ウイルス)などが陽性の歯科医には、同じ対応をしていないと思われます。
なぜHIVだけがこんなにも特別な対応をされなければならないのでしょうか・・・。
(谷口 恭)
2006年8月28日(月) 台湾、バレンタインデイにHIV予防キャンペーン
台湾を含めて中国のバレンタインデイは8月30日(旧暦の七夕)です。
8月24日付けのOnline The China Postによりますと、台湾エイズ基金と台北北星ロータリークラブ(訳に自信がありません・・・。原文はRotary Club of Taipei North Starです)は共同で、このロマンティックな記念日にエイズ予防キャンペーンを実施することを決めました。
キャンペーンでは寄附を募り、寄附をした人にはコンドームをプレゼントする企画もあるそうです。
台湾ではHIV/AIDSに関する人々の意識が低く、性行為で常にコンドームを使用する人は20-30%しかない、というデータもあります。
Online The China Postによりますと、台湾では、2006年7月までにHIVに感染した人は、累計で12,012人に昇ります。このうち、エイズを発症していない段階で発見されたのはわずか10%以下だそうです。台湾エイズ基金は、こういった実情を踏まえ、「早期発見の重要性を訴えたい」、とコメントしています。
よく日本のマスコミは、「先進国でHIVが増えているのは日本だけ」という言い方をしますが、これはまったくの誤りで、UNAIDSのデータを見ても、韓国、シンガポールのHIV陽性者の伸び率は日本よりも深刻であり、公的には中国の一部となっているためUNAIDSのデータはありませんが、台湾と香港も感染者が増えていると言われています。また、アジアに入るかどうかは分かりませんが、オーストラリアでも感染者は増加しています。
アジアの先進国どうし、今後協力して感染予防に取り組んでいくことはできないものでしょうか。
(谷口 恭)
8月24日付けのOnline The China Postによりますと、台湾エイズ基金と台北北星ロータリークラブ(訳に自信がありません・・・。原文はRotary Club of Taipei North Starです)は共同で、このロマンティックな記念日にエイズ予防キャンペーンを実施することを決めました。
キャンペーンでは寄附を募り、寄附をした人にはコンドームをプレゼントする企画もあるそうです。
台湾ではHIV/AIDSに関する人々の意識が低く、性行為で常にコンドームを使用する人は20-30%しかない、というデータもあります。
Online The China Postによりますと、台湾では、2006年7月までにHIVに感染した人は、累計で12,012人に昇ります。このうち、エイズを発症していない段階で発見されたのはわずか10%以下だそうです。台湾エイズ基金は、こういった実情を踏まえ、「早期発見の重要性を訴えたい」、とコメントしています。
よく日本のマスコミは、「先進国でHIVが増えているのは日本だけ」という言い方をしますが、これはまったくの誤りで、UNAIDSのデータを見ても、韓国、シンガポールのHIV陽性者の伸び率は日本よりも深刻であり、公的には中国の一部となっているためUNAIDSのデータはありませんが、台湾と香港も感染者が増えていると言われています。また、アジアに入るかどうかは分かりませんが、オーストラリアでも感染者は増加しています。
アジアの先進国どうし、今後協力して感染予防に取り組んでいくことはできないものでしょうか。
(谷口 恭)
2006年8月28日(月) チェンマイで密売人と警官が真昼の銃撃
バンコク週報1233号(2006年8月28日)によりますと、8月16日の昼過ぎ、タイ国チェンマイ県の市場で、数人の私服警官と覚醒剤密売人が銃撃戦を繰り広げる事件がありました。昼過ぎの市場ですから、買い物客も多く、逃げ惑う人々で現場は一時大混乱になったそうです。
おとり捜査中の私服警官が、覚醒剤200錠の引渡し場所として密売組織が指定した市場に出向き、密売人の身柄を拘束しようとしたところ、銃撃戦が始まったとのことです。この密売人はチェンライ県出身の34歳の男性で、銃撃戦で足に被弾しましたが命に別状はないようです。
この銃撃戦で、クァイッティァオ(米麺)屋台の店主に流れ弾が当たり怪我を負ったそうです。
覚醒剤については、HIV感染のみならず、こういった危険性についても認識しておくべきでしょう。
チェンマイは、タイのなかで最も外国人に人気のある県のひとつです。タイ国を再びドラッグ天国にしてはなりません。需要があるから供給があるのです。ならば、GINAとしては、覚醒剤の危険性を草の根レベルで訴えていきたく思います。
(谷口 恭)
おとり捜査中の私服警官が、覚醒剤200錠の引渡し場所として密売組織が指定した市場に出向き、密売人の身柄を拘束しようとしたところ、銃撃戦が始まったとのことです。この密売人はチェンライ県出身の34歳の男性で、銃撃戦で足に被弾しましたが命に別状はないようです。
この銃撃戦で、クァイッティァオ(米麺)屋台の店主に流れ弾が当たり怪我を負ったそうです。
覚醒剤については、HIV感染のみならず、こういった危険性についても認識しておくべきでしょう。
チェンマイは、タイのなかで最も外国人に人気のある県のひとつです。タイ国を再びドラッグ天国にしてはなりません。需要があるから供給があるのです。ならば、GINAとしては、覚醒剤の危険性を草の根レベルで訴えていきたく思います。
(谷口 恭)
2006年8月27日(日) カリフォルニアの刑務所でコンドーム配布の法案
8月24日付けのロイター通信によりますと、カリフォルニア州議会で、「州刑務所内でコンドームを配布する」という法案が可決されました。この法案は今後、州知事であるアーノルド・シュワルツネッガー氏に送られ、同氏が承認すれば施行されることになります。
カリフォルニア州刑務所は全米で最大の規模をほこり、およそ16万2千人が収容されており、その大半は男性です。刑務所内でのHIV感染率は、ロサンゼルス全般の感染率のおよそ8倍にもなるそうです。
刑務所内での性交渉など、もちろん公的には禁止されているでしょうが、実際にはおこなわれているという現実があるのでしょう。しかし、だからと言ってコンドームを配布するようなことをおこなえば、刑務所自体が施設内での性交渉を認めてしまうことになってしまいます。にもかかわらず、現実的な観点からコンドームを配布することを決断したのは、さすがアメリカ合衆国という感じがします。
米国では、90年代前半、静脈注射で違法薬物を摂取する人たちの間でHIV感染の増加が止まらないという現実がありました。そこで米国のとった方策は、薬物中毒者たちに対する無料での注射針配布だったのです。
薬物中毒者への注射針にしても、刑務所内でのコンドームにしても、当然反対意見はあるでしょうが、現実を適切に認識し、効果的な対策をとることのできるこの国は評価されるべきだと思います。
注射針やコンドームどころか、学校での適切な性教育ですらおこなえないわが国とは大きな違いがあると言えるでしょう。
(谷口 恭)
カリフォルニア州刑務所は全米で最大の規模をほこり、およそ16万2千人が収容されており、その大半は男性です。刑務所内でのHIV感染率は、ロサンゼルス全般の感染率のおよそ8倍にもなるそうです。
刑務所内での性交渉など、もちろん公的には禁止されているでしょうが、実際にはおこなわれているという現実があるのでしょう。しかし、だからと言ってコンドームを配布するようなことをおこなえば、刑務所自体が施設内での性交渉を認めてしまうことになってしまいます。にもかかわらず、現実的な観点からコンドームを配布することを決断したのは、さすがアメリカ合衆国という感じがします。
米国では、90年代前半、静脈注射で違法薬物を摂取する人たちの間でHIV感染の増加が止まらないという現実がありました。そこで米国のとった方策は、薬物中毒者たちに対する無料での注射針配布だったのです。
薬物中毒者への注射針にしても、刑務所内でのコンドームにしても、当然反対意見はあるでしょうが、現実を適切に認識し、効果的な対策をとることのできるこの国は評価されるべきだと思います。
注射針やコンドームどころか、学校での適切な性教育ですらおこなえないわが国とは大きな違いがあると言えるでしょう。
(谷口 恭)