HIV/AIDS関連情報

2006年8月30日(水) オーストラリアでHIV陽性の歯科医

 8月24日付けのNEWS.COM.AUによりますと、オーストラリア、クイーンズランド州の公立病院で働く歯科医(報道では「若い女性」となってます)が、8月22日にHIV陽性であることが分かりました。

 この歯科医がHIVに感染したのは昨年12月の可能性が強いそうです。そのため、クイーンズランド州では、この間にこの歯科医の診察を受けたおよそ600人の患者に対して、HIVの抗体検査を受けるよう呼びかけています。

 州政府は、「600人の患者全員がHIVの検査を受けるのが望ましい」、としながらも、「治療行為でHIVに感染する可能性は極めて低い」、というコメントをしています。

 また州政府は、この若い歯科医が正直にHIV陽性であることを告白したことを高く評価しています。この歯科医は、今後歯科診療をおこなうことはできなくなりますが、保健関係の仕事が州から与えられるそうです。

 正直に感染を告白した歯科医を「評価」した州政府も「評価」されるべきだとは思いますが、同じような感染経路のHBV(B型肝炎ウイルス)、HCV(C型肝炎ウイルス)、HTLV-1(成人T細胞白血病ウイルス)などが陽性の歯科医には、同じ対応をしていないと思われます。

 なぜHIVだけがこんなにも特別な対応をされなければならないのでしょうか・・・。

(谷口 恭)