HIV/AIDS関連情報

2006年6月1日(木) HIV感染、インドが最多に

 UNAIDS(国連合同エイズ計画)が30日に公表した報告書によりますと、インドの感染者が2005年末に570万人に達し、南アフリカの550万人を抜いてトップになりました。

 これを感染率でみると、南アフリカが成人の18.8%なのに対し、インドでは0.9%ですが、インドは10億人以上の人口を有するために人数では世界一位となったというわけです。

 世界全体の感染者は3,860万人で、新規感染者は昨年よりも減少傾向にあるようです。主な国をみてみると、中国は65万人、米国が120万人、韓国は1万3千人、日本は1万7千人です。

 タイは、58万人とインドのおよそ10分の1ですが、感染率は1.4%と、逆にインドを上回っています。

 ちなみに、UNAIDSの国別データでは、性経験に関するデータも掲載されており、タイでは、男性の10.9%、女性の6.6%が15歳未満で性経験があるそうです。(日本のデータはなぜか掲載されていませんでした。)

(谷口 恭)

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2006年5月31日(水) タイで薬物犯罪急増

 結局無効となった2006年4月2日におこなわれた総選挙後、一時休養をとっていたタクシン首相が5月22日に復帰しましたが、首相不在のこの2ヶ月間で、薬物犯罪が急増しているそうです。

 アサンプション大学が2006年5月に実施した、タイの青少年150万人以上を対象とした調査によりますと、「過去1ヶ月に覚醒剤を使用した」と回答した者が41,666人いたそうです。タクシン首相が2003年に「第1次薬物一掃運動」を開始してから3ヶ月後におこなわれた同規模の調査では、使用者はおよそ5,000人でしたから、当時と比較すると700%の増加ということになります。

 薬物制圧事務局の報告によりますと、最近は、若い世代、特に大学生が密売人となるケースが急増しているそうです。

 タクシン首相が(強引に)開始した「薬物一掃運動」は行き過ぎたきらいがあり、批判も多く、これまでに2500人から5000人以上が射殺されていると言われています。そのなかには冤罪もかなり含まれているのではないかという声もあります。

 ただ、タクシン首相のこの政策の結果、タイがかつてのような「ドラッグ天国」でなくなったのは事実です。日本の方がよほど覚醒剤が簡単に入手できる、という人も少なくありません。

 日本に比べるとタイでは、いわゆる「アブリ」ではなく、初めから静脈注射をする人が少なくありません。(これは日本で入手できる覚醒剤よりも純度が悪いからではないかと言われています。)

 覚醒剤を静脈注射する人たちのなかには、「回し打ち」するようになる者も出てきますから、以前のように「静脈注射によるHIVの感染」の増加が懸念されます。

(谷口 恭)

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2006年5月31日(水) インドネシア・ジャワ地震について 第2回

 ジャワ島中部のジョクジャカルタ特別州で発生した大地震は、インドネシア社会省によりますと、30日の夜の時点で、死者数は5732人にのぼりました。

 インドネシア大統領府のまとめでは、30日までに34カ国から物資や人材の提供や意思表示があり、米軍はすでに300人以上もの隊員が現地入りしています。日本の自衛隊も現地入りする見込みだそうです。

 ただ、一方では、略奪行為が横行し、行政の調整力不足も加わり、支援物資が被災者に十分に行き渡っておらず、政府の救援活動に不満の声も上がっているそうです。

 阪神大震災やスマトラ沖大地震のときも、被災者に対する窃盗、強盗、レイプなどが相次ぎましたが、ジャワ地震でも同様の犯罪がすでに生じてしまっているようです。

 こういった犯罪を阻止し、確実に被災者の方々の援助をおこなうには、直接現地に行くべきなのでしょうが、GINAでは現在そのような余裕がありませんし、本来の設立趣旨とは異なりますから、信頼できる組織に義援金を送るというかたちで協力していきたく考えています。

 義援金での協力第2弾として、GINAからWFP(国連世界食糧計画)に寄附をいたしました。
2006年5月30日(火)
エイズ検査参加を呼び掛け 普及週間で田中好子さん    浅居 雅彦
 
 今年から始まるHIV検査普及週間(6月1-7日)を前に、女優の田中好子(たなか・よしこ)さんが29日、東京のJR新宿駅前で街頭キャンペーンをし、パンフレットを配って検査への参加を呼び掛けたと共同通信社が報じています。

 国内で新たに確認されたHIV感染者とエイズ患者の合計は2004、05年と2年連続で年間1000人を突破。発症してから感染が分かるケースが約3割を占め、早期発見・治療の必要性が指摘されています。

 街頭キャンペーンに先立ち赤松正雄厚生労働副大臣とともに南新宿検査・相談室を訪れた田中さんは、HIV検査の流れについて説明を受け、その後記者会見し「エイズは怖い病気だが、キャリアの段階なら治療方法はある。(感染の)疑いがある人は1日も早く検査を受けてほしい」と訴えていました。

(谷口 恭)

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2006年5月30日(火) エイズ検査参加を呼び掛け 普及週間で田中好子さん

 今年から始まるHIV検査普及週間(6月1-7日)を前に、女優の田中好子(たなか・よしこ)さんが29日、東京のJR新宿駅前で街頭キャンペーンをし、パンフレットを配って検査への参加を呼び掛けたと共同通信社が報じています。

 国内で新たに確認されたHIV感染者とエイズ患者の合計は2004、05年と2年連続で年間1000人を突破。発症してから感染が分かるケースが約3割を占め、早期発見・治療の必要性が指摘されています。

 街頭キャンペーンに先立ち赤松正雄厚生労働副大臣とともに南新宿検査・相談室を訪れた田中さんは、HIV検査の流れについて説明を受け、その後記者会見し「エイズは怖い病気だが、キャリアの段階なら治療方法はある。(感染の)疑いがある人は1日も早く検査を受けてほしい」と訴えていました。

(浅居 雅彦)

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2006年5月29日(月) 通り魔被害者にHIV感染の疑い

 2006年5月29日の日本経済新聞によりますと、ベルリンで16歳の少年が通行人を次々とナイフで刺し、28人が重軽傷を負った通り魔事件で、被害者のひとりがHIVに感染している可能性のあることが分かったそうです。この事件は、26日の深夜から27日未明にかけておこなわれた駅の完成パーティの直後に起こったとのことです。

 報道からは、もともとこの被害者がHIVに感染していたのかどうかが分かりませんが、事件の加害者である16歳の少年がHIV陽性であり、他人に感染させる目的で犯行におよんだという噂もあります。

 ドイツのような先進国で、16歳の少年がHIV陽性ということに驚きますが、ドイツでは若年者の性行動が活発であると言われることがあり、そのような背景が16歳のHIV陽性者を生み出したのかもしれません。またドイツでは、ビールやタバコが16歳から合法であることが、若い世代の性行動を加速しているのではないかとの声もあるようです。

 ところで、HIV陽性者が自分の血液を注射器に吸い取って通行人に刺したり、あるいは、ナイフに自分の血液を付着させた上で通行人を刺したり、といった事件をときおり耳にします。

 私の知る限り、まだ日本ではこのような事件はありませんが、中国やタイでは現地の日本人から聞くことがあります。

 HIV感染者が増える一方の日本でも、やがてこのようなことに怯えながら生活しなければならない日が来るのでしょうか。
 
 通り魔はいずれ逮捕されるのが自明ですから、それほど行動にうつす可能性が高くないかもしれませんが、例えばHIVに感染していることが分かっている人が、リスキーな性行為をおこなうということは充分にあり得るかもしれません。
 
 今から15年ほど前、「エイズ王国へようこそ」という噂が流行しました。若くて大変美しい女性が通りすがりの男をホテルに誘い、コンドームなしの性行為をおこない、男性が目覚めたときには女性の姿はすでになく、ホテルの鏡に紅い口紅で「エイズ王国へようこそ」と書かれていた、というものです。

 この話は、実際には確認されておらず、いわゆる「都市伝説」であると言われてきましたが、今後も「都市伝説」であり続けるという保障はないのです。

(谷口 恭)

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