HIV/AIDS関連情報

2006年5月29日(月) 通り魔被害者にHIV感染の疑い

 2006年5月29日の日本経済新聞によりますと、ベルリンで16歳の少年が通行人を次々とナイフで刺し、28人が重軽傷を負った通り魔事件で、被害者のひとりがHIVに感染している可能性のあることが分かったそうです。この事件は、26日の深夜から27日未明にかけておこなわれた駅の完成パーティの直後に起こったとのことです。

 報道からは、もともとこの被害者がHIVに感染していたのかどうかが分かりませんが、事件の加害者である16歳の少年がHIV陽性であり、他人に感染させる目的で犯行におよんだという噂もあります。

 ドイツのような先進国で、16歳の少年がHIV陽性ということに驚きますが、ドイツでは若年者の性行動が活発であると言われることがあり、そのような背景が16歳のHIV陽性者を生み出したのかもしれません。またドイツでは、ビールやタバコが16歳から合法であることが、若い世代の性行動を加速しているのではないかとの声もあるようです。

 ところで、HIV陽性者が自分の血液を注射器に吸い取って通行人に刺したり、あるいは、ナイフに自分の血液を付着させた上で通行人を刺したり、といった事件をときおり耳にします。

 私の知る限り、まだ日本ではこのような事件はありませんが、中国やタイでは現地の日本人から聞くことがあります。

 HIV感染者が増える一方の日本でも、やがてこのようなことに怯えながら生活しなければならない日が来るのでしょうか。
 
 通り魔はいずれ逮捕されるのが自明ですから、それほど行動にうつす可能性が高くないかもしれませんが、例えばHIVに感染していることが分かっている人が、リスキーな性行為をおこなうということは充分にあり得るかもしれません。
 
 今から15年ほど前、「エイズ王国へようこそ」という噂が流行しました。若くて大変美しい女性が通りすがりの男をホテルに誘い、コンドームなしの性行為をおこない、男性が目覚めたときには女性の姿はすでになく、ホテルの鏡に紅い口紅で「エイズ王国へようこそ」と書かれていた、というものです。

 この話は、実際には確認されておらず、いわゆる「都市伝説」であると言われてきましたが、今後も「都市伝説」であり続けるという保障はないのです。

(谷口 恭)