HIV/AIDS関連情報
2008年7月20日(日) 献血のHIVが止まらない勢い
今年(2008年)に入り、献血でHIVが見つかるケースが増加しているというニュースを以前お伝えしましたが(2008年6月1日「大阪が3分の1、献血のHIV」)、その勢いが止まりません。
日赤の速報値によりますと、2008年1月から6月の間に献血した人のうち、HIV抗体が陽性であった人が58人に上ります。(報道は7月16日の共同通信)
10万人当たりのHIV陽性者をみてみると、過去最多だった昨年平均の2.065人を上回る2.316人となります。(1月から3月の集計では2.259人でしたからさらに増加していることになります)
都道府県別のデータでは、最多が大阪の16人、2位が東京の9人、3位が千葉の5人です。
厚生労働省血液事業部会運営委員会からは、「大阪の保健所の検査態勢を整える必要がある」との意見がだされ、厚生労働省は大阪府に「早急に検査態勢を確立するよう」通知しています。
***********
現在日赤では献血を輸血に使う前には、HIVの抗体だけでなく抗原も検査しています。しかし、それでも感染して数日間は検査を「すり抜ける」ことがあります。
少しでも感染の可能性のある人は献血の前に検査にいきましょう。
(谷口恭)
日赤の速報値によりますと、2008年1月から6月の間に献血した人のうち、HIV抗体が陽性であった人が58人に上ります。(報道は7月16日の共同通信)
10万人当たりのHIV陽性者をみてみると、過去最多だった昨年平均の2.065人を上回る2.316人となります。(1月から3月の集計では2.259人でしたからさらに増加していることになります)
都道府県別のデータでは、最多が大阪の16人、2位が東京の9人、3位が千葉の5人です。
厚生労働省血液事業部会運営委員会からは、「大阪の保健所の検査態勢を整える必要がある」との意見がだされ、厚生労働省は大阪府に「早急に検査態勢を確立するよう」通知しています。
***********
現在日赤では献血を輸血に使う前には、HIVの抗体だけでなく抗原も検査しています。しかし、それでも感染して数日間は検査を「すり抜ける」ことがあります。
少しでも感染の可能性のある人は献血の前に検査にいきましょう。
(谷口恭)
2008年7月16日(水) HIV陽性者の入国制限がようやく撤廃に
HIV陽性であれば特定のビザを取得できない国があります。アメリカとロシアが有名ですが、アジアでは韓国やシンガポールでも一部のビザ取得のために「HIV陰性」であることを証明することが必要です。
しかし、このような規則は明らかな「患者差別」であり、以前からUNAIDS(国連合同エイズ計画)が規則の廃止を求めていました。国連の潘基文事務総長も今年6月に「差別を擁護する法制度の変更を求める」と発言するなどし、こういった規則の撤廃を求める声が強まっていました。
これらを受けてなのか、北海道洞爺湖サミットで、HIV陽性者に対する入国制限措置の撤廃に向けた動きを支持する方向で合意することが決まり、国際保健に関する行動指針「洞爺湖行動枠組み」に盛り込まれました。
*********
日本は、HIV陽性者に対する入国制限を以前から設けていませんでしたが、何らかの形でHIV陽性者の入国を規制している国は70カ国以上もあると言われています。
なぜHIVだけがこのような差別を受けなければならないのでしょうか。
洞爺湖サミットで合意された入国制限の撤廃は当然のことであるというよりも、遅すぎた決定というべきでしょう。
(谷口恭)
しかし、このような規則は明らかな「患者差別」であり、以前からUNAIDS(国連合同エイズ計画)が規則の廃止を求めていました。国連の潘基文事務総長も今年6月に「差別を擁護する法制度の変更を求める」と発言するなどし、こういった規則の撤廃を求める声が強まっていました。
これらを受けてなのか、北海道洞爺湖サミットで、HIV陽性者に対する入国制限措置の撤廃に向けた動きを支持する方向で合意することが決まり、国際保健に関する行動指針「洞爺湖行動枠組み」に盛り込まれました。
*********
日本は、HIV陽性者に対する入国制限を以前から設けていませんでしたが、何らかの形でHIV陽性者の入国を規制している国は70カ国以上もあると言われています。
なぜHIVだけがこのような差別を受けなければならないのでしょうか。
洞爺湖サミットで合意された入国制限の撤廃は当然のことであるというよりも、遅すぎた決定というべきでしょう。
(谷口恭)
2008年6月15日(日) タイで覚醒剤が氾濫
タクシン政権崩壊後、タイでは違法薬物が次第に氾濫するようになってきています。最近、覚醒剤に関する2つのニュースが入ってきたのでここでお伝えしておきます。
バンコクのクロンプレム刑務所で2,200錠のメタンフェタミンが押収されました。ある受刑者に差し入れられた食べ物(注1)のなかに隠されていた錠剤が発見されたようです。(詳細は6月10日のThe Nation)
覚醒剤は55個のポリ袋に小分けされた食べ物の中に隠されており、この受刑者は親戚が差し入れの際に忍ばせたことを認めています。
同刑務所によりますと、別の受刑者が所持していたお菓子の袋のなかからはアンフェタミン(注2)の錠剤が発見されています。
同刑務所では覚醒剤は1錠500バーツで売買されているそうです。
もうひとつのニュースは、サムットプラカン県(注3)で27人の男女が一斉検挙されたという事件です。(詳細は6月10日のThe Nation)
6月10日未明、事前に情報を仕入れていた警察は、覚醒剤パーティをやっているレンタルルームを捜査し合計27人の若者を逮捕しました。逮捕されたのは16歳から24歳の男女で、逮捕者全員の尿からメタンフェタミンが検出されました。
**************
タクシン政権が強引な薬物一掃政策をおこなっていた頃は、「タイでは薬物入手が相当困難になった」と言われていましたが、わずか数年でそれ以前の「ドラッグ天国」に舞い戻ってしまいました。(その逆に、日本では北朝鮮ルートが減少したことから最近は覚醒剤が入手困難になってきているそうです)
注1 訳を一応「食べ物」としましたが、原文(英語)は「clams」です。貝がらの中にメタンフェタミンの錠剤が入れられていたのでしょうか。
注2 タイでは以前(90年代から2002年頃)は、アンフェタミンの錠剤が広く流通していましたが(これをタイ人はヤーバー(バカの薬)と呼んでいました)、現在はメタンフェタミンが押収されたという情報の方が多くなっています。
注3 サムットプラカン県とはバンコクに隣接する小さな県で、スワンナプーム空港のある県です。
(谷口恭)
バンコクのクロンプレム刑務所で2,200錠のメタンフェタミンが押収されました。ある受刑者に差し入れられた食べ物(注1)のなかに隠されていた錠剤が発見されたようです。(詳細は6月10日のThe Nation)
覚醒剤は55個のポリ袋に小分けされた食べ物の中に隠されており、この受刑者は親戚が差し入れの際に忍ばせたことを認めています。
同刑務所によりますと、別の受刑者が所持していたお菓子の袋のなかからはアンフェタミン(注2)の錠剤が発見されています。
同刑務所では覚醒剤は1錠500バーツで売買されているそうです。
もうひとつのニュースは、サムットプラカン県(注3)で27人の男女が一斉検挙されたという事件です。(詳細は6月10日のThe Nation)
6月10日未明、事前に情報を仕入れていた警察は、覚醒剤パーティをやっているレンタルルームを捜査し合計27人の若者を逮捕しました。逮捕されたのは16歳から24歳の男女で、逮捕者全員の尿からメタンフェタミンが検出されました。
**************
タクシン政権が強引な薬物一掃政策をおこなっていた頃は、「タイでは薬物入手が相当困難になった」と言われていましたが、わずか数年でそれ以前の「ドラッグ天国」に舞い戻ってしまいました。(その逆に、日本では北朝鮮ルートが減少したことから最近は覚醒剤が入手困難になってきているそうです)
注1 訳を一応「食べ物」としましたが、原文(英語)は「clams」です。貝がらの中にメタンフェタミンの錠剤が入れられていたのでしょうか。
注2 タイでは以前(90年代から2002年頃)は、アンフェタミンの錠剤が広く流通していましたが(これをタイ人はヤーバー(バカの薬)と呼んでいました)、現在はメタンフェタミンが押収されたという情報の方が多くなっています。
注3 サムットプラカン県とはバンコクに隣接する小さな県で、スワンナプーム空港のある県です。
(谷口恭)
2008年6月1日(日) 5歳未満の死因、エイズは18%
ユニセフ(国連児童基金)は、5月28日、横浜市で開かれたアフリカ開発会議(TICAD)で、「アフリカ子供白書2008」を発表しました。(報道は5月29日の共同通信)
白書によりますと、世界中で毎年、約1,000万人の子供が5歳の誕生日前に亡くなっており、そのうち半分の約500万人はアフリカの子供たちです。
サハラ砂漠以南のアフリカの5歳未満児死亡率は1970年から2006年の36年間で約3分の1に減少しています。しかし、予防可能な病気での死亡がいまだに多く、死因の40%は下痢や肺炎です。
マラリアとエイズはそれぞれ18%を占めています。
*********
日本ではエイズとは成人の病気というイメージが強いですが、アフリカでは5歳未満の死因の18%を占めているということには注目すべきでしょう。
もちろん、これはアフリカだけの事象ではなく、GINAが支援しているタイの子供たちにもHIV陽性の子供がいます。
(谷口恭)
白書によりますと、世界中で毎年、約1,000万人の子供が5歳の誕生日前に亡くなっており、そのうち半分の約500万人はアフリカの子供たちです。
サハラ砂漠以南のアフリカの5歳未満児死亡率は1970年から2006年の36年間で約3分の1に減少しています。しかし、予防可能な病気での死亡がいまだに多く、死因の40%は下痢や肺炎です。
マラリアとエイズはそれぞれ18%を占めています。
*********
日本ではエイズとは成人の病気というイメージが強いですが、アフリカでは5歳未満の死因の18%を占めているということには注目すべきでしょう。
もちろん、これはアフリカだけの事象ではなく、GINAが支援しているタイの子供たちにもHIV陽性の子供がいます。
(谷口恭)
2008年6月1日(日) 大阪が3分の1、献血のHIV
2008年1月から3月に献血した人からHIVが発見されたケースが28人にも上り、過去最悪だった去年のペースを上回るペースで推移していることがあきらかとなりました。(報道は5月28日の医療タイムス)
都道府県別では大阪が9人と、全国の約3分の1を占めています。
1月から3月に献血をおこなった人は約124万人で、そのうちHIV陽性であることが分かったのは28人です。10万人あたりの陽性者は2.259人で、過去最悪だった昨年1年間の2.065人を上回っています。
1位の大阪に続くのは、東京で4人、以下、3位が千葉の3人、4位が福岡の2人となっています。
***********
当たり前のことですが、HIV感染の可能性がある人は献血の前に検査を受けるようにしましょう。
(谷口恭)
都道府県別では大阪が9人と、全国の約3分の1を占めています。
1月から3月に献血をおこなった人は約124万人で、そのうちHIV陽性であることが分かったのは28人です。10万人あたりの陽性者は2.259人で、過去最悪だった昨年1年間の2.065人を上回っています。
1位の大阪に続くのは、東京で4人、以下、3位が千葉の3人、4位が福岡の2人となっています。
***********
当たり前のことですが、HIV感染の可能性がある人は献血の前に検査を受けるようにしましょう。
(谷口恭)