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2008年6月15日(日) タイで覚醒剤が氾濫

 タクシン政権崩壊後、タイでは違法薬物が次第に氾濫するようになってきています。最近、覚醒剤に関する2つのニュースが入ってきたのでここでお伝えしておきます。

 バンコクのクロンプレム刑務所で2,200錠のメタンフェタミンが押収されました。ある受刑者に差し入れられた食べ物(注1)のなかに隠されていた錠剤が発見されたようです。(詳細は6月10日のThe Nation)

 覚醒剤は55個のポリ袋に小分けされた食べ物の中に隠されており、この受刑者は親戚が差し入れの際に忍ばせたことを認めています。

 同刑務所によりますと、別の受刑者が所持していたお菓子の袋のなかからはアンフェタミン(注2)の錠剤が発見されています。

 同刑務所では覚醒剤は1錠500バーツで売買されているそうです。

 もうひとつのニュースは、サムットプラカン県(注3)で27人の男女が一斉検挙されたという事件です。(詳細は6月10日のThe Nation)

 6月10日未明、事前に情報を仕入れていた警察は、覚醒剤パーティをやっているレンタルルームを捜査し合計27人の若者を逮捕しました。逮捕されたのは16歳から24歳の男女で、逮捕者全員の尿からメタンフェタミンが検出されました。

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 タクシン政権が強引な薬物一掃政策をおこなっていた頃は、「タイでは薬物入手が相当困難になった」と言われていましたが、わずか数年でそれ以前の「ドラッグ天国」に舞い戻ってしまいました。(その逆に、日本では北朝鮮ルートが減少したことから最近は覚醒剤が入手困難になってきているそうです)



注1 訳を一応「食べ物」としましたが、原文(英語)は「clams」です。貝がらの中にメタンフェタミンの錠剤が入れられていたのでしょうか。

注2 タイでは以前(90年代から2002年頃)は、アンフェタミンの錠剤が広く流通していましたが(これをタイ人はヤーバー(バカの薬)と呼んでいました)、現在はメタンフェタミンが押収されたという情報の方が多くなっています。

注3 サムットプラカン県とはバンコクに隣接する小さな県で、スワンナプーム空港のある県です。

(谷口恭)