HIV/AIDS関連情報

2008年7月16日(水) HIV陽性者の入国制限がようやく撤廃に

 HIV陽性であれば特定のビザを取得できない国があります。アメリカとロシアが有名ですが、アジアでは韓国やシンガポールでも一部のビザ取得のために「HIV陰性」であることを証明することが必要です。

 しかし、このような規則は明らかな「患者差別」であり、以前からUNAIDS(国連合同エイズ計画)が規則の廃止を求めていました。国連の潘基文事務総長も今年6月に「差別を擁護する法制度の変更を求める」と発言するなどし、こういった規則の撤廃を求める声が強まっていました。

 これらを受けてなのか、北海道洞爺湖サミットで、HIV陽性者に対する入国制限措置の撤廃に向けた動きを支持する方向で合意することが決まり、国際保健に関する行動指針「洞爺湖行動枠組み」に盛り込まれました。

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 日本は、HIV陽性者に対する入国制限を以前から設けていませんでしたが、何らかの形でHIV陽性者の入国を規制している国は70カ国以上もあると言われています。

 なぜHIVだけがこのような差別を受けなければならないのでしょうか。

 洞爺湖サミットで合意された入国制限の撤廃は当然のことであるというよりも、遅すぎた決定というべきでしょう。

(谷口恭)