HIV/AIDS関連情報

2007年3月26日(月) タイ、中高生の退学率が深刻に

 タイでは毎年10万人を超える中高生が退学しており、その原因は"勉強嫌い""薬物依存""妊娠"などである・・・。

 このような発表をタイ基礎教育委員会(Basic Education Commission, BEC)がおこない話題を呼んでいます(報道は3月24日のバンコクポスト)。

 同委員会は次のようにコメントしています。

 「生徒が学校を辞めるとき、両親の引越しが原因ではないかと我々は考えがちだが、実際にはそのような原因で退学している生徒はほとんどいない」

 小学校から高校までの12年間の間に退学する者は毎年10万人以上いて、多くは男子生徒です。

 同委員会の調査によれば、退学者のおよそ3分の1は「勉強がきらい、勉強に飽きた」などを退学の理由にしています。残りの生徒は、「他の生徒からのイジメ」「薬物依存」「妊娠」などが退学理由です。

 同委員会は、生徒が利用できるカウンセリングルームを各学校が設立することを提唱し、今後各学校を評価することも検討しているようです。

 若者の更生施設の関係者は次にようにコメントしています。

 「10代でレイプや強盗をおこなう若者は、退学後まともなことをしておらず、仲間たちと成人映画を見たり、新聞の犯罪記事を読んだりしている。そしてそれが実際の犯罪につながっている。教育者には、単に勉強を教えるだけでなく、判断力や責任感ということについても教えてもらいたい」

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 「学校の教師に判断力や責任感の教育を求めるのは非現実的であり、そのようなことがらは家庭で教えるべきだ」という意見が日本にもありますが、タイでも似たような状況なのかもしれません。

(谷口 恭)

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2007年3月26日(月) HIV陽性のカナダ人女性がバーで出会った男性と・・・

 3月23日のロイター通信によりますと、カナダのトロント警察は、23日、自分がHIV陽性であることを隠して、バーで出会った複数の男性とコンドームを使わない性交渉をおこなったとして、HIV陽性の女性を性的暴行(sexual assault)の罪で逮捕しました。

 この女性と性交渉をもったことが判っているのは現在3人の男性のみですが、トロント警察は、実際に性交渉をもった男性はかなりの人数になるとみています。トロント警察の担当刑事は次のようにコメントしています。

 「この事件は彼女が故意にHIVを蔓延させようとたくらんだものだ。実際にどれくらいの男性が被害にあっているのかは想像するのも恐ろしい・・・」

 この女性(年齢は報道されていません)は、2003年にHIVに感染しており、2004年には保健省が、「今後性交渉をおこなうときには相手に自分がHIV陽性であることを告げるように」と警告しています。

 トロント警察によりますと、この女性はバーのなかで、"極めて性に積極的"(quite sexually active)で、さらにインターネットの出会い系サイトでも積極的に男性を探していたそうです。

 この事件に関してトロント警察は異例の行動に出ています。この女性の写真を公開し、この女性と性的関係をもった男性を探し出したのです。写真公開数時間後に早くも2人の男性が警察を訪れたそうです。しかし、トロント警察は言います。

 「実際に彼女と性的関係をもった男性はかなりの人数にのぼるはずだ。この事件が複雑なのは、たとえ彼女と性的関係を持ったことが分かっていてもそれを話すことに恐怖や羞恥心を感じている男性も少なくないと思われるからだ」

 カナダでは、HIVを性交渉で故意にうつそうとした女性が逮捕された事件はこれまでもありましたが、今回のように写真を公開して関係をもった男性を探すというのは初めてのことです。

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 このような事件は今後世界中で相次ぐでしょう。誰もが性交渉を持つ前にHIVの話をすべきであるというのが私の考えなのですが、これは非現実的なのでしょうか・・・

(谷口 恭)

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2007年3月26日(月) ゲイの退職者が集う町

3月23日のロイター通信によりますと、ハリウッドの一角に、ゲイ、レズビアン、トランスジェンダーなどの退職者が住めるような住宅街がつくられ話題を呼んでいます。

 この住宅街は、Triangle Squareと名づけられ、合計104の家が建てられ、低価格でゲイたちに供給されるようです。周囲にはプールやゴルフ場、またアミューズメントセンターや身体障害者用の施設まであり、関係者は米国にとってもロサンジェルスにとっても歴史的な出来事であると述べています。この住宅街建設の費用2,080万ドル(約25億円)は、カリフォルニア州とロサンジェルス市が負担しています。

 また、104の住居のおよそ3分の1がHIVに感染している低所得者のために準備されています。

 カリフォルニア大学の最近の調査によりますと、現在ロサンジェルス在住のゲイはおよそ442,000人で、ニューヨークに次いで二番目の多さです。特にハリウッド西部では、人口の40%がゲイもしくはレズビアンで、これは世界最大の人口比であると言われています。

 同性愛者を支援するあるNPOによると、米国の老人施設では、ほとんどが同性の居住を禁止しており、そのため同性愛者たちは老後、寂しい生活を余儀なくされているという現状があります。そのため、自分が同性愛者であることを偽って施設を探している人もいるそうです。

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 さすがは、人種差別や同性愛差別が世界で最も少ないと言われているロサンジェルスという感じがします。世界中の行政がこの政策を見習ってもらいたいものです。

(谷口 恭)

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2007年3月23日(金) オーストラリアのゲイが乱交パーティを主催し・・・

 3月20日のNEWS.COM.AUによりますと、オーストラリアの48歳のゲイが、故意にHIVを感染させたとして現在法廷で審議がおこなわれています。

 この被告人は性に関する122の罪で起訴されており、2000年から2006年の間に16人にHIVを故意に感染させようとしたとされています。そして、このうち2人は実際にHIVに感染しています。

 さらに、この被告は、自ら乱交パーティ(orgies)を主催し、パーティに参加した人たちに故意にHIVを感染させようとした罪にも問われています。

 これからも審議は継続しておこなわれるようです。

(谷口 恭)

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2007年3月23日(金) 香港と広東省が共同でエイズ予防活動

 3月21日のチャイナ・デイリーによりますと、香港と広東省がエイズ予防活動を共同でおこなうことに同意しました。これは両地域でHIV感染者が増加していることを受けてのものです。

 香港の保健省は、2006年の新規感染者が373人になったことを発表しました。これは前年313人から比べて19%の上昇です。香港の新規感染者は、2001年は213人、2004年は268人でしたから着実に新規感染者が増加していることになります。

 一方、広東省では、昨年10月から今年1月にかけての4ヶ月間で新たに4,823人がHIVに感染しており、前年同期と比べて8.4%の上昇となっています。

 これらの地域の新規感染者はほとんどが性交渉によるものです。

 広東省では現在145の病院がHIVの検査と治療をおこなっており、対象者は広東省のみならず香港からの渡航者も含まれています。また、両地域では、「太陽の下の愛」というタイトルのエイズ啓発映画が公開されています。

 香港の分子生物学者Lo氏は、香港の売春婦と男性たちが無料検査を受けられるようにすべきであると提唱しています。香港では以前は中国本土の人たちでも無料で検査を受けることができたのですが、香港政府は政策を転換し、現在では本土の人が検査を受けるにはおよそ1,000香港ドル(約15,000円)の費用がかかります。

 「これが売春婦たちが検査を受けることの障壁となっており、この結果が香港の公衆衛生を危険な状態にしている」、Lo氏はそのようにコメントしています。

(谷口 恭)

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