HIV/AIDS関連情報

2007年3月23日(金) 香港と広東省が共同でエイズ予防活動

 3月21日のチャイナ・デイリーによりますと、香港と広東省がエイズ予防活動を共同でおこなうことに同意しました。これは両地域でHIV感染者が増加していることを受けてのものです。

 香港の保健省は、2006年の新規感染者が373人になったことを発表しました。これは前年313人から比べて19%の上昇です。香港の新規感染者は、2001年は213人、2004年は268人でしたから着実に新規感染者が増加していることになります。

 一方、広東省では、昨年10月から今年1月にかけての4ヶ月間で新たに4,823人がHIVに感染しており、前年同期と比べて8.4%の上昇となっています。

 これらの地域の新規感染者はほとんどが性交渉によるものです。

 広東省では現在145の病院がHIVの検査と治療をおこなっており、対象者は広東省のみならず香港からの渡航者も含まれています。また、両地域では、「太陽の下の愛」というタイトルのエイズ啓発映画が公開されています。

 香港の分子生物学者Lo氏は、香港の売春婦と男性たちが無料検査を受けられるようにすべきであると提唱しています。香港では以前は中国本土の人たちでも無料で検査を受けることができたのですが、香港政府は政策を転換し、現在では本土の人が検査を受けるにはおよそ1,000香港ドル(約15,000円)の費用がかかります。

 「これが売春婦たちが検査を受けることの障壁となっており、この結果が香港の公衆衛生を危険な状態にしている」、Lo氏はそのようにコメントしています。

(谷口 恭)