HIV/AIDS関連情報

2008年2月5日(火) マハラシュトラで婚前HIV検査が義務化?

 1月31日のBBCニュースによりますと、インド中西部の都市マハラシュトラで、結婚する前に全員がHIVの検査を受けることを義務づける法案が州議会を通過する可能性がでてきました。

 もしもこの法案が制定されれば、インド初の婚前HIV検査義務化ということになります。2006年には、インド南部のアンドラプラデシで同じような法案が審議されましたが、そのときは反対意見が多く法案は見送られました。

 この法案をめぐって、賛成意見と反対意見があります。

 賛成する人々は、HIVに対する意識の低さとこの州の感染率の高さを理由にあげています。

 これに対し、反対の意思を表明している人権派の法律家たちは、「あらゆる検査は強制的であってはならない」としこの法案に不快感を示しています。

 インドの国民エイズ管理組織(National AIDS control organization)が定めるガイドラインには、「誰であってもHIVの検査を強制されてはならない」と定められています。

 一般の人々はどうでしょうか。

 BBCニュースは、夫からHIVに感染したひとりの女性の声を報道しています。この女性はBBCの取材に対し、次のようにコメントしています。

「私の夫はHIV陽性であることを隠して私と結婚したの。そしてエイズで死んだわ。夫はエイズを発症して初めて自分がHIVに感染していることを私に話したの。私の結果はHIV陽性。私はだまされ、私をだました男は死んだってわけよ」

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 HIV検査を強制、というのは無理があるように思われます。しかしながら、この地域のHIVに対する低い関心と高い感染率があるのも事実なようです。

 ならば、別の方法でHIV検査を促す方法を考えられないものでしょうか・・・。


(谷口恭)

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2008年2月1日(金) DAYS JAPAN 2月号 寄稿

 DAYS JAPAN 2月号にGINA代表 谷口の記事「アジアに蔓延するHIV」が掲載されました。とても興味深い内容です。是非お買い求めください。お問合せは株式会社デイズジャパン

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2008年2月1日(金) 月間同和教育 であい 寄稿

 月刊同和教育 であい ・人権文化を拓くに、ちょふの「今日の世界における最悪の病」が掲載されました。お問合せは全国同和教育研究協議会

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2008年1月31日(木) タブーに挑戦するネパールのラジオ番組

 ネパールは、人口およそ2千6百万人の山に囲まれた国で、国民の大半がヒンズー教徒です。

 ヒンズー教の影響だけではないかもしれませんが、ネパールは東南アジアの国々でも最も保守的な国のひとつです。


 この保守的な国では、セックスやHIVの話をオープンにしづらい環境があります。そのせいで正しい知識が普及しておらず、結果としてHIVが蔓延しているという現実があります。

 そのネパールで、"Chatting with my best friend"というタイトルのラジオ番組が現在注目されています。

 1月9日のロイター通信によりますと、この番組のリスナーが増加しており、毎月1,500通以上の手紙が番組に寄せられるそうです。なかには、HIV陽性者からの質問などもあり、番組のパーソナリティが質問に答えることもあるそうです。

 ロイターの取材に答えたリスナーのひとりは次のようにコメントしています。

「はじめはこの番組を家族で聞くことに恥ずかしさがあった。けど今は問題ないよ。だって、この番組が取り上げている問題のいくつかは僕らが直面していることだからね」

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 現在ネパールには、約7万人のHIV陽性者がいると言われています。

 また、同性愛に対しても非常に保守的な国で、同性愛というだけで最長1年間の懲役刑が課せられます。

 反対意見も多いでしょうが、そのネパールでこのような番組ができたことは評価されるべきでしょう。

(谷口恭)

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2008年1月31日(木) 豪の男性セックスワーカーが逮捕

 1月30日のNEWS.COM.AUによりますと、41歳の男性セックスワーカーが今月初旬に逮捕され、現在ACT(オーストラリア首都特別地域)の裁判所で審議がおこなわれています。

 証言した医師によりますと、この男性は遅くとも1999年にはHIVに感染していることが分かっており、少なくとも250人の顧客と性交渉をもっているようです。

 当局は、実際には250人ではなく、それ以上の顧客がいるという可能性も考えています。また、コンドームを用いない性交渉をしているケースも多数あるとみています。

 この男性は、キャンベラの新聞などに個人売春の広告を載せていましたが、当局へのセックスワーカーの届出はおこなっていませんでした。

 現在、当局は、この男性と性交渉をもった顧客に対し、HIVの検査とカウンセリングを受けるように呼びかけています。

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 "個人売春の広告"、"セックスワーカーの届出"というのは、さすが先進国だなぁ・・・と関心してしまいます。それが、男性のセックスワーカー(ウリセン)というのですからさらに驚きます。

 それに、この男性セックスワーカーと性交渉をもった人全員に、無料のHIV検査とカウンセリングをおこなうというのですから、行政の柔軟さと迅速さに感動してしまいます。

 日本とは大違いですね・・・

(谷口恭)

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