HIV/AIDS関連情報

2008年1月31日(木) タブーに挑戦するネパールのラジオ番組

 ネパールは、人口およそ2千6百万人の山に囲まれた国で、国民の大半がヒンズー教徒です。

 ヒンズー教の影響だけではないかもしれませんが、ネパールは東南アジアの国々でも最も保守的な国のひとつです。


 この保守的な国では、セックスやHIVの話をオープンにしづらい環境があります。そのせいで正しい知識が普及しておらず、結果としてHIVが蔓延しているという現実があります。

 そのネパールで、"Chatting with my best friend"というタイトルのラジオ番組が現在注目されています。

 1月9日のロイター通信によりますと、この番組のリスナーが増加しており、毎月1,500通以上の手紙が番組に寄せられるそうです。なかには、HIV陽性者からの質問などもあり、番組のパーソナリティが質問に答えることもあるそうです。

 ロイターの取材に答えたリスナーのひとりは次のようにコメントしています。

「はじめはこの番組を家族で聞くことに恥ずかしさがあった。けど今は問題ないよ。だって、この番組が取り上げている問題のいくつかは僕らが直面していることだからね」

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 現在ネパールには、約7万人のHIV陽性者がいると言われています。

 また、同性愛に対しても非常に保守的な国で、同性愛というだけで最長1年間の懲役刑が課せられます。

 反対意見も多いでしょうが、そのネパールでこのような番組ができたことは評価されるべきでしょう。

(谷口恭)