HIV/AIDS関連情報

2006年9月16日(土) 借金あり76%、世帯平均負債は11.7万バーツ

 9月3日のnewsclip.be(http://www.newsclip.be)によりますと、タイ商業会議所が8月下旬、タイ全国の1187人を対象に実施した調査にて、借金がある世帯は全体の76%、世帯当たりの平均負債は11万6840バーツだったということがわかったと、伝えています。

 借金がある世帯は月収1万バーツ以下で53%、9万バーツ以上で50%だったが、1万1~5万バーツ以下では80%を超えた。平均負債は月収1万バーツ以下の層が11万7400バーツ、月収9万バーツ以上の層が22万バーツでした。

 しかも、「返済に問題がある」世帯は全体の55%で、特にバンコクと北部で高くなっています。

 私の実感では、タイは経済発展が目覚しく、サイアムスクエアには高級品を扱うデパートが立ち並び、観光客や海外の駐在員よりも地元のタイ人で賑わっています。

 その反面、屋台では20~30バーツで焼飯や麺類が食べられますので、貧富の差はありますが、タイでは借金をせず、収入に見合った暮らしが可能ではないかと思います。

 それでも、返済に問題があるほど借りてしまう人が多いのは、タイの社会全体が過剰な消費、つまり「バブル」に向かっていると言うことなのかもしれません。ジム・ロジャーズ風に言えば、「タイは売り」と言うことです。

 事実、欧米系企業の多くは今後のタイ経済に弱気で、強気なのは日本企業のみです。

(浅居 雅彦)

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2006年9月16日(土) ピーピー島でベルギー人男性射殺

 9月13日の newsclip.be(http://www.newsclip.be)によりますと、9月10日未明に南部クラビ県のピーピー島でベルギー人男性(24)が射殺された事件があり、地元警察は11日、オープンバー従業員の男2人と物売りの男2人を殺人などの容疑で逮捕しました。

 4人は21~25歳の遊び仲間で、酒に酔ったベルギー人男性が4人と一緒にいたタイ人女性を侮辱したため乱闘になり、従業員の男が拳銃で男性の頭を撃ったと報道しています。  

 恐ろしいですね。タイ人。リゾートで酒に酔った観光客なんか本気で相手にしなくてもいいのに、「侮辱」と受取ってしまうなんて。

 実は、タイではこういった他愛も無いトラブルが昂じて、殺人にまで発展するという事件が後を絶ちません。

 タイは東南アジアで唯一、一度も欧米の植民地になったことが無い国で、非常に誇り高い民族です。よく「微笑みの国」などと言われますが、その微笑が無くなったとき(プライドを傷つけられたとき)には、双方いずれかが死ぬまで争うとまで言われています。

 また、銃の所持は法律で禁止されていますが、簡単に手に入るようです。私自身、カオサンロードの屋台で、たまたま向かい合せになった地元チンピラのジャケットの内側ポケットに、拳銃が入っていたのを見たことがあります。

 例えて言うならば、サッカーでもホームとアウェイで戦い方に違いがあるように、アウェイでは、極力トラブルを起こさないようにするのが旅の要諦です。

(浅居 雅彦)

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2006年9月16日(土) オーラルセックスにもコンドーム

 9月12日のnewsclip.be(http://www.newsclip.be)によりますと、梅毒などの性感染症やエイズの拡大を防ぐため、タイ保健省は口腔性交(オーラルセックス)の際にもコンドームやデンタルダム(女性器にあてる薄いシート)を使うよう呼びかけています。

 都内バンラック地区の病院の報告によると、HIVに感染した男性のうち10人に1人が口腔性交が原因という事実が明らかになりました。

 同省が1991年から取り組んでいるエイズ対策では、風俗店のコンドーム使用率100%をめざし、今年の新たな感染者を1万6000人以下に抑えるという目標があります。

 しかし、店に勤務せず、いわゆる「フリー」の売春婦や街娼も多いタイでは、こういった政府の指導では、解決は難しいのではないかと懸念する向きもあります。

 また、日本の風俗店の場合、コンドームなしの口腔性交は当たり前で、たいていの場合口内に射精しますが、顧客、セックスワーカー双方ともに「日本だから安全」と言い切れるでしょうか?

(浅居 雅彦)

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2006年9月14日(木) アングラ化する日本に来るタイ女性

 以前から、不法入国でタイから日本に渡り(trafficking)、不当な労働条件で売春をさせられているタイ女性が問題になっていましたが、最近その傾向が変わってきているようです。

 8月13日のNation(タイの英字新聞)に、東京でこういった女性たちを保護する施設HELPのコメントが紹介されています。HELPによれば、「1991年には270人のタイ女性を保護したが、タイ人の数は次第に減ってきており、2005年には10人以下に、そして今年はまだひとりもHELPに助けを求めてきたタイ女性はいない」、ということです。

 しかしながら、数字だけを見て手放しに喜ぶわけにはいきません。タイ人権委員会(National Human Rights Commission of Thailand)のメンバーNaiyana Supa-pung氏は言います。

 「HELPにかけこむタイ女性の数が減ったことは、だまされて日本に渡ったタイ人が減ったことを意味するわけではない」

 日本に連れてこられたタイ女性は不当な借金を背負わされて働くことになります。10年ほど前は、その額がおよそ300万円だったのが、現在ではその倍の600万円になっているそうです。

 こういった女性を擁護する日本の団体Network Against Trafficking In Persons (JNATIP)の幹部は言います。

 「タイが通貨危機に直面してから、以前には見られなかった高い教育を受けている女性も、タイ国内で仕事がないため売春目的で日本に来るようになっている」

 2004年に日本が不法入国に対する法律を制定してから、世間ではこういった売春目的で入国する女性は減ってきていると思われているようですが、実際は異なるようです。

 JNATIPによれば、「最近は、数年間売春婦として各地で働かされた後、日本人男性と強制的に結婚させられるケースが増えており、こういった男性は失業者か違法行為をしている者であり、彼女らは家庭内暴力を受けていることが多い」、そうです。

 また、不法入国したタイ女性が出産した場合、その子供の国籍や権利が問題になることも多いという実情があります。

 タイでは最近、こういった女性を保護する公的な機関が1億バーツ(約3億円)の予算でつくられました。これまで8人の女性がこの機関によって補償を受けることができたようです。

(谷口 恭)

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2006年9月14日(木) オーストラリアのHIV増加もタイのせい?

 フィンランド政府が、自国のHIV感染増加をタイの売春産業のせいにするコメントを発表し物議を醸しているというニュースをお伝えしたばかりですが(2006年9月8日「フィンランドのHIV増加はタイのせい?」)、オーストラリアでも同じようなニュースが報道されています。

 9月3日のNEWS.COM.AUによりますと、オーストラリア北部で最近HIV感染が分かった9人のうち8人が異性愛者で、ほとんどが中年から60歳程度の男性だったそうです。オーストラリアは、国全体でみれば異性との性交渉によるHIV感染の割合は15%程度ですが、北部だけでみればおよそ60%となります。

 NEWS.COM.AUによれば、これら感染者の大半は、東南アジアで売春行為をおこなった結果によるもので、具体的な国名としては、タイを筆頭にしてベトナムとフィリピンを挙げています。

 オーストラリアの公的機関 Health and Community Services Sexual Health and Blood Borne Viruses Unitの北部局局長のWendy Armstrong氏は言います。

 「東南アジアへの旅行で、HIV感染が増えているだけでなく、抗生物質の効かない性感染症も問題となっている。今後、海外渡航者に対してはコンドームの持参を含めて感染予防の啓発につとめる」

 また、Armstrong氏は、海外でHIVに感染しその後国内のパートナーに感染させている問題も指摘しています。

 フィンランドに対しては公的に反論したタイですが、ほぼ同時期に同じような発表をしたオーストラリアに対しては公的なコメントは発信していないようです。オーストラリアの発表では、ベトナムとフィリピンも挙げタイ一国に限定していないからでしょうか。あるいはタイではなく渡航者に責任があるというような表現をしたからでしょうか。

 タイの見解はともかく、タイに渡航するすべての男性は(タイの若い男性を買いにいく女性も)、危険な性行為を慎むべきでしょう。

 ここで、9月13日のバンコク週報に掲載された三面記事をご紹介しておきましょう。

 9月10日、48歳のドイツ人観光客が、パタヤのホテルのベッドの上で仰向けになり、コンドームを装着したまま死体で発見されたそうです。警察の調べによると、この男性は26歳の売春婦を自分のホテルに連れて帰り「腹上死」した可能性が強いそうです。冷蔵庫の上には精力増強剤が置かれていたそうです。

 警察によればこの売春婦は逃走中のようです。適切な取調べがおこなわれればこの女性に罪はないことが実証されると思われますが、様々なリスクのある仕事をしているとはいえ、このようなことで殺人犯に疑われることのないよう慎重に捜査をすすめてもらいたいものです。

(谷口 恭)

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