HIV/AIDS関連情報

2007年1月23日(火) マラウイ政府はマドンナに好意的

 GINAでアンケート調査をおこない(この結果は近日中に発表いたします)、このコーナーでも関連ニュース(「マドンナの養子縁組が世界中で波紋」2006年10月18日「マドンナの苦悩」2006年10月30日など)を何度かご紹介しているマドンナの養子縁組に対して、マラウイ政府はマドンナを支持するような見解を発表しています。

 1月6日のロイター通信によりますと、マラウイの女性と子供の福祉省(Ministry of Women and Child Welfare)の幹部であるAdrina Mchiela女史は、「マドンナは1歳のデビッドに対して満足のいくケアをおこなっている」、とコメントしました。

 Mchiela女史は続けます。

「我々はこれまでマドンナがどのようにデビッドの世話をするのかを監視してきたが、マドンナは母親として立派に振る舞い、デビッドは元気に育っている。デビッドの父親は何も心配する必要はない」

 デビッドの父親であるヨハネは、「デビッドが元気に育っているかどうか知るためにマドンナに会いたい」と言っているそうです。スコットランドのある福祉団体は、ヨハネのこの希望に対して、マドンナ一家が住むロンドンまでの渡航費として400ポンド(約8万円)の小切手をヨハネに寄付しました。

 これに対し、マラウイ政府は、「養子縁組の暫定期間である18ヵ月が経過するまでは父親はデビッドに会うべきでない。18ヵ月後にマドンナはデビッドを連れてマラウイに戻ってくるからそれまで待つべきだ。父親は何も心配する必要がない」、とヨハネに対して忠告をしています。

 上記のスコットランドの福祉団体がマドンナの養子縁組そのものに反対しているかどうかは分かりませんが、マラウイ国内の団体を筆頭に、世界中の人権団体がマドンナの行動に異議を唱えています。一方、マラウイ政府はマドンナを好意的にとらえ、また一般の人々からの意見もマドンナを支持するものが多いようです。(デビッドの父親がどのような発言をしているかという点については、マスコミの報道によって異なります)

 マドンナのこのニュースでマラウイの孤児の実態が注目されるようになりました。アフリカのこの小国では、90万人以上の子供たちが孤児院で生活し、さらに約50万人の親をなくした子供たちが貧困に苦しんでいます。その最たる原因はHIV感染です。

(谷口 恭)