HIV/AIDS関連情報

2007年7月17日(火) インドのHIV陽性者は本当は少ない?

 インドのHIV陽性者は2005年末に570万人に達し世界一位になった・・・

 これが昨年5月30日のUNAIDS(国連合同エイズ計画)の報告です。

 ところが、UNAIDSはこれをくつがえす報告を7月6日におこない議論を呼んでいます。

 新しい報告では、インドのHIV陽性者は247万人で、昨年の発表の半分以下の数字となっています。これにより、南アフリカとナイジェリアに次ぐ世界第3位となります。

 また、成人の感染率は、昨年の報告では1.1%でしたが、新しい試算では0.36%となります。

 なぜこれほどの違いが生じているか、と疑問が出てきますが、これは調査方法が異なることによるものです。

 前回の国連が採用していた調査方法は、妊婦及びドラッグ・ユーザーや売春婦などのハイリスクグループの陽性率から算定するというものです。今回の調査では、102,000人の一般人の血液検査から試算しています。

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 今回の新たな数字の方に信憑性があると見られているようですが、つい最近、インドの財務大臣は570万人という数字が「過少報告」されていると発言したばかりです。

 いずれにしても、今回の発表でエイズ対策の予算が削られないとの報道に一安心です。

(谷口 恭)

参考:2007年6月4日「過少報告されているインドの感染者数」