HIV/AIDS関連情報

2007年2月6日(火) イギリス、外国人のビザ承認でHIV差別

 2月1日のBBC NEWSによりますと、2月5日より、ケニアのイギリス大使館ではケニア人のイギリスへのビザ申請時に、結核に罹患していないことを示す証明書の提出が義務付けられます。
 
 これを受けて、ケニアのHIV関連のNPOが「この制度はHIV感染者に対する差別だ」と痛烈に抗議をおこなっています。このNPOの代表者は言います。

 「結核はHIV陽性者にとってよくある感染症で、この制度が施行されればHIV陽性者はイギリスに渡航できなくなる。これはイギリスのHIV陽性者に対する差別的な戦略であり、国際法に違反している」

 結核はHIV陽性者が発症する感染症の代表的なものです。ケニアでは毎年(HIV陰性者も含めて)およそ10万人が結核に罹患しています。毎年1万5千人以上がイギリス渡航のためのビザを申請しており、この大半が学生です。

 現在、ケニア中のエイズ関連の運動家たちは、イギリスに対し、直ちにこの制度を撤回するよう抗議をおこなっています。

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 イギリスはこの制度をすでにタンザニアとスーダンで施行しています。このウェブサイトでも何度かお伝えしましたが、イギリスはHIV陽性者にとって大変厳しい国です。いずれ、日本人に対しても同じ制度を通達するようになるかもしれません。

 尚、日本は先進国のなかでは韓国と並んで例外的に結核の罹患者が多い国です。

(谷口 恭)

参考: 「治療不能」の結核が急増 2006年9月11日