HIV/AIDS関連情報

2006年12月29日(金) 中国のHIV陽性者、損害賠償を勝ち取る

 中国の河南省で、病院で受けた輸血によりHIVに感染した女性が保健省に対し補償を要求したところ逆に重罪で逮捕された、という事件を以前お伝えしましたが(2006年7月28日「中国政府、補償を求めたエイズ患者を逮捕」)、同じようなことを黒竜江省のHIV陽性者がおこない、こちらは原告側が見事に損害賠償を勝ち取りました。12月5日のBBC NEWSが報道していますのでご紹介いたします。

 違法の売血行為で得た血液を輸血された結果HIVに感染したとして、中国黒竜江省の19人が病院を訴えていた裁判で、原告側が勝利し、合計2千万元(約250万ドル、約2億9千万円)の保証金が支払われることとなりました。

 黒竜江省のこの病院では、輸血により15人がHIVに感染し、そのうち3人は配偶者に性感染させ、またひとりは子供に母子感染をさせ、合計19人がこの病院の不手際でHIVに感染したこととなります。

 この事件で病院のスタッフ3人が有罪判決を受け2年から10年の禁固刑を言い渡されています。

 最近の中国ではこのケース以外にも、院内の輸血でHIVに感染した人が病院を訴える訴訟が相次いでいるそうです。

 冒頭で述べた河南省が例外的なのでしょうか。それとも、最近数ヶ月で中国全体の情勢が大きく変化してきているのでしょうか。

(谷口 恭)