HIV/AIDS関連情報

2006年12月13日(水) オーストラリア、19歳の息子が母親の恋人を殺害(続編)

 HIV感染が原因で、19歳の青年が母親のボーイフレンドをナイフで殺害するという事件がシドニーで起こり、真相不明な点が多いということを以前お伝えしましたが(「オーストラリア、19歳の息子が母親の恋人を殺害」2006年12月1日)、警察の調べなどで新たなことが分かりましたのでお伝えいたします。

 まずはこの事件を簡単に振り返っておきましょう。

・19歳のジェイソンの母親キャシーには、24歳の恋人スティーブンがいた。
・11月22日の夜、匿名の者から、「スティーブンはHIV陽性である」との電話が入った。
・キャシーは、スティーブンからHIVをうつされたに違いないと思い動転した。
・それを見たジェイソンは、スティーブンに恨みの感情を抱き殺害した。

 11月28日のNEWS.COM.AUによりますと、結局スティーブンはHIV陰性だったそうです。ということは、「スティーブンはHIV陽性である」というガセネタを匿名の人物が電話でキャシーに告げ、ジェイソンは誤解に基づいてスティーブンに恨みを持ち殺害したということになります。

 ジェイソンは殺害を否認していますが、現在のところ検察はジェイソンを加害者と見ており、次回の法廷は1月31日に開かれるそうです。

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 ジェイソンが真犯人かどうかは別にして、HIV感染疑惑が殺人事件につながった可能性が極めて強い事件です。「HIV感染」の社会的意味の重さを感じます。

(谷口 恭)