パバナプ寺 エイズホスピス

パバナプ寺 エイズホスピス


 
世界最大のエイズホスピスとして知られています。

そのため国内外から毎日多くの見学者が訪れ、多い日は1日で千人以上にもなります。

重症病棟、軽症病棟、バンガローを合わせると200人ほどのHIV陽性者がこのホスピスで生活しています。見学者は重症病棟にも入ることができ、この点が我々外国人を驚かせます。また、エイズで亡くなった人をミイラ化し展示したり、ホルマリンに漬けた臓器を展示したり、また亡くなった人のお骨を原料にしたモチーフが飾られていたりして、このあたりは世論から非難されることもあります・・・。(下記コラムを参照ください)

この施設は「エイズホスピス」と呼ばれていることからも分かるように、以前はいったん入所すると死を待つしかありませんでした。しかし、2004年から抗HIV薬が無料で支給されるようになり、この施設で死を迎える人は次第に減少してきていますし、なかには回復して社会復帰される方もでてきました。

しかし、それでも治療が遅れて亡くなっていく人や地域社会で差別を受け最終的にこの施設にたどり着いた人なども依然少なくはなく、エイズという病を医学的だけでなく社会的な観点から多くのことを学ぶことができる施設と言えるでしょう。

参考:
GINAと共に第42回「エイズ患者のミイラ展示は是か非か」
論文「パバナプ寺でのエイズ治療」(2007年6月)    
『今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ』で、パバナプ寺のことを詳しく紹介しています。