HIV/AIDS関連情報

2008年2月29日(金) 中国でHIV新規感染が急増

 2月22日のReuterによりますと、中国での2007年のHIV新規感染が前年に比べて45%も増加しています。これで2007年の中国のHIV陽性者総数は約70万人となります。

 また、梅毒は前年に比べて24%の増加だそうです。

 中国のHIV陽性者総数については、国連は次のような試算をしています。(報道は2月23日のThe Independent)

「もしも中国政府が抜本的な対策をとらなければ、中国でのHIV陽性者は2010年までに1千万人になるだろう」

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 中国では、これまで「HIVは外国人のもの」と誤った認識が世論に浸透していました。また、「HIVは箸の共用で感染する」「握手をすればHIVに感染する」などといったことを信じている人が少なくありません。

 現在の中国でのHIV感染ルートで最も多いのが、異性間の性交渉です。地方から建築業などで出稼ぎにきているおよそ2億人の男性がハイリスクグループとされていますが、これはコンドームを用いない性交渉(unprotected sex)が減らないからです。

 同時に地方から売春婦として出稼ぎにきている女性たちももちろんハイリスクグループです。

 HIVだけではありません。報告にもよりますが、中国のB型肝炎ウイルス陽性者は最大で1億2千万人になるとの試算もありますし、C型肝炎ウイルスに関してはデータそのものが存在しません(私はみたことがありません)。

 一方、日本人男性をみてみると、中国に出張し容易に現地女性と性交渉をもつ男性が急増している印象があります。

 今後、「中国で仕事をする日本人」がハイリスクグループと呼ばれるようになるかもしれません。

(谷口恭)