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2007年8月22日(水) 堺市の倉庫で大量の薬物押収

 すでに各マスコミが報道しているように、8月13日、大阪府堺市の倉庫で大量の覚醒剤や大麻などが押収されました。大阪府警薬物対策課は、この事件を中国やカナダにまたがる国際的な密輸組織の犯行の疑いがあるとみているようです。

 逮捕された中国人4人は中国本土からの指示で、大阪港で陸揚げされた積荷を受け取り、倉庫に移すだけの「運び役」だったようです。府警は日本の暴力団も関与しているとみています。

 この事件で驚くのは押収された薬物の量です。覚醒剤が約155キロ(末端価格約93億円)、乾燥大麻約280キロ(同約11億円)、MDMAの錠剤68万錠(同約27億円)で、いずれも昨年1年間の国内押収量を上回っています。

 昨年の国内の薬物押収量は、覚醒剤140キロ、大麻196キロ、MDMA115,000錠です。1999年には覚醒剤だけで1,450キロが押収されていましたから、北朝鮮ルートが減少したせいで薬物の輸入は減っているとみられていました。

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 需要があるから供給があるという考え方もありますが、違法薬物の場合、供給があるから需要があるという側面も無視できません。ひとときだけとはいえ、恍惚感、高揚感などを簡単に手に入れることのできる薬物は、かなりの強い意志をもつ人でさえもその甘い誘惑に負けてしまうことがあります。

 私個人としては、薬物対策にもっと多額の資金を導入し、国内対策だけでなく、他国と協力し世界規模で薬物シンジケートの撲滅に力を入れてもらいたいと考えています。

(谷口 恭)