HIV/AIDS関連情報

2007年7月2日(月) 中国でクラブ・ドラッグが氾濫

 中国で伝統的な違法薬物と言えば阿片やヘロインなどですが、急速に西洋化した影響を受けてか、現在中国の都心部ではいわゆるクラブ・ドラッグが氾濫しているようです。

 6月27日のCHINA.Dailyによりますと、「ニュータイプ・ドラッグ」、「クラブ・ドラッグ」などと呼ばれる、諸外国の若者の間で広く流通している薬物が中国のクラブ・フリークを中心に蔓延しています。

 なかでも、広く出回っているのが、マリファナ、MDMA(エクスタシー)、ケタミンなどです。

 北京当局の統計によりますと、これらクラブ・ドラッグの中毒者は過去5年で15%も上昇しています。クラブ・ドラッグのユーザーは、ヘロインユーザーなどとは異なり、より若い世代、ホワイトカラー、スポーツ選手、芸能関係者などだそうです。CHINA Dailyは、大学生の間にも広く普及していることを指摘しています。

 一般的に、クラブ・ドラッグはヘロインなどに比べると身体依存性が低いとされていますが、中国当局のある関係者は次のように述べています。

 「クラブ・ドラッグのユーザーは深刻な身体問題を起こしているということが科学的な検証で明らかとなった。彼(女)らは、危険性を認識しないまま長期間ドラッグを摂取している。これが記憶力や認識力の低下につながり、脳にダメージを与えている。彼(女)らの一部は、パラノイア(偏執症/妄想症)、幻覚、抑うつ、人格の変化などをきたしている」

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 今回の報道にはありませんが、中国も日本と同様、クラブ・ドラッグのひとつとして覚醒剤が広く出回っているものと思われます。

 こういったクラブ・ドラッグ・ユーザーたちは日本にも大勢いますが、彼(女)らが自己を正当化するために決まって言うセリフがあります。

 「シャブやヘロインを注射するヤツらはバカだけど、自分たちはアブったり内服したりしているだけだから依存性が少ないし、汚染された針からHIVなどに感染する危険性もない・・・」

 果たして本当にそうでしょうか。

 彼(女)らがHIVや肝炎に感染する可能性は少なくとも2つあります。

 ひとつは、初めはアブリ(吸入)や内服で楽しめても、そのうち薬物に対する耐性ができてきて注射に走る者が少なくないこと。もうひとつは、クラブ・ドラッグには催淫効果があり(特にMDMA)、危険な性行為(unprotected sex)をおこなう者が多いことです。

(谷口 恭)