HIV/AIDS関連情報

2007年6月25日(月) 北京の大学生の4分の1がHIV陽性者を受け入れず

 北京の大学に通う大学生の4人に1人はHIV陽性のクラスメイトを受けれいない・・・

 こんな調査結果がChina Youth University政治学部の調査で明らかとなりました。(報道は6月6日のCHINA Daily)

 この調査は、清華大学(中国で最高峰とされる大学のひとつ)を含む北京にある12の大学に通う1089人の大学生を対象としたもので、32.9%が「HIV陽性者を受け入れる」と回答し、23%が「絶対に受け入れられない」と答えています。

 また、回答者の7%は、「HIV陽性者に大学入学の許可を与えるべきでない」、と回答し、31%は「"制限つき"で入学を認めてもよい」、と答えています。

 就職に関する調査では、4%が「HIV陽性者には仕事を与えるべきでない」、と回答し、43%は「就職にはなんらかの制限を設けるべきだ」、と答えています。

 しかしながら、回答者の4分の3は、自発的にエイズの予防や正しい知識の普及活動をおこなってみたい、と答えています。

 この調査の研究者であるZhou Xiaochun氏は次にようにコメントしています。

 「大学院生は大学生よりもHIV陽性者に対して寛容で、正しい知識を持ち合わせている。しかしながら、恐怖感や差別意識が存在するのも明らかである」

 Zhou氏は、恐怖感や差別意識はエイズをモラルの崩壊と関連付けて考えているからであろう、と述べています。

 この調査によって大学生の知識のなさも明らかとなりました。3分の1がエイズとHIV陽性の違いが分かっていなかったそうです。

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 日本でのこのような調査はみたことがありませんが、この結果よりはまともなものが得られるでしょうか・・・。

 まさか、HIV陽性者に大学入学の許可を与えるべきでない、と答える日本人はいないでしょうが、残念ながら、HIV感染を理由に退職を勧告されたという被害者は日本にも少なくありません・・・。

(谷口 恭)