HIV/AIDS関連情報

2007年6月19日(火) 中国では女性の間でHIV感染が急増

 中国では女性の間でHIV新規感染が増えています。新華社通信(中国の国営通信社)が6月4日に発表した報告では、2000年の時点ではHIV陽性者(含エイズ発症者)のなかで女性の占める割合は19.4%だったのが、2006年には27.8%まで上昇しています。(報道は6月4日のロイター通信)

 また、新規感染でみると、1990年代には男性と女性の割合がおよそ5:1でしたが、それが最近ではほぼ2:1、と女性の新規感染が大きく増加していることがわかります。

 中国の副保健大臣Wang Longde氏の発表では、2007年4月までのHIV陽性者は203,527人で、これは2006年秋の183,733人から上昇しています。2007年4月の時点でエイズを発症しているのは52,480人だそうです。

 しかしUNAIDSは、現在の中国のHIV陽性者は65万人としていますし、実際はこれの数倍になるとみている専門家は少なくありません。

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 中国全体での感染者の総数は議論が別れるところでしょうが、新規感染の女性の占める割合が急増していることは誰もが危惧していることでしょう。

 これはHIVが一般社会に急速に浸透していることを示唆しています。

(谷口 恭)