HIV/AIDS関連情報

2007年5月8日(火) HIV陽性ゲイの3分の1がコンドーム使用せず

 マンチェスター、ブライトン、ロンドンの2,640人のゲイを対象とした調査がおこなわれ、結果が医学誌「Sexually Transmitted Infection」で発表されています。(報道は4月30日のBBC NEWS)

 HIV陽性のゲイの37%が過去1年間にコンドームを用いない性交渉をおこなっています。一方、HIV陰性のゲイでは18%という結果がでています。

 この結果から、HIV陽性者はHIV陽性者とコンドームを用いない性交渉をおこなっていることが考えられます。これは、HIV陽性者が新たなHIV株に再感染することにつながり、こうなると薬が効きにくくなる可能性もあります。

 HIV陽性率が最も高いのはブライトンで14%、最も低いのがマンチェスターで8.6%となっています(ロンドンは中間)。

 HIV陽性の3人に1人が、自身がHIVに感染していることを知りませんでした。しかし、全体の3人に2人以上が過去1年以内に性感染症クリニックを受診していると回答しています。

 HIV陰性の5人に1人、HIV陽性の10人に4人が、過去1年間に何らかの性感染症に罹患していました。

 この研究の代表者であるダニエル・メルシー(Danielle Mercey)医師は、「HIVの検査を促し危険な性交渉をやめるように訴えかけなければならない」と述べています。

 同医師は続けます。

 「危険な性行為は特に若い男性が注意しなければならない。スピードオーバーの運転や違法薬物摂取と同様、危険な性行為も若い世代に多いのである」

 イギリス全域でみると、2005年のHIV新規感染者7,450人のうち、およそ3分の1がゲイです。

(谷口 恭)