HIV/AIDS関連情報

2007年5月7日(月) 男性との情事を認めるくらいなら自殺・・・

 男性と性交渉をもっているものの、結婚しているか女性の恋人がいる男性は、男性との情事を認めるよりも"死"を選ぶ・・・

 オーストラリアでこのような調査結果が発表され話題をよんでいます。(報道は4月18日のNEWS.COM.AU)

 この調査はシドニー大学の研究者ハドソン(Hudson)氏によっておこなわれたもので、結婚しているか女性の恋人がいて、かつ男性とも性交渉をもっている240人の男性を対象としています。協力者はインターネットで募集した他、サウナなどゲイが集まるスポットで聞き取り調査をおこなっています。

 調査結果によりますと、彼らの半数以上が、「妻や(女性の)恋人が、自分が男性とも性交渉をもっていることを知らない」、と答えています。

 また、彼らのほとんどが、「家族が欲しい」「異性愛者のノーマルさが欲しい」と答え、「いずれは男性への愛情がなくなるだろう」、と答えています。

 そして、ほとんどが、「妻を傷つけたり結婚生活を台無しにしたりするくらいなら自ら死を選ぶ」、と答えています。

 さらに、「妻を傷つけたくないし、妻を守っていきたいからこそ、真実を語ることはできない」、と考えているそうです。

 この結果に対し、研究者のハドソン氏は次のように述べています。

 「彼らは少なくとも医師に対しては真実を語るべきである。彼らは真実を隠すことが妻にとっていいことと考えているが、それ以上に医師に真実を隠すことは悪いことなのである。結婚していれば、医師はその男性をゲイとみなさない。その結果、必要な性感染症やHIVの検査をおこなわなくなる」

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 この研究者のコメントに納得できないのは私だけでしょうか?

 ゲイだからHIVを含む性感染症のリスクが高いのではなく、危険な性行為(unprotected sex)をおこなうことがリスクであるはずです。

 日本にも男性と性交渉をもつ男性はたくさんいます。もちろん結婚している人も少なくありません。私は、ゲイの人たちを診察するときは、性感染症の検査を薦めるのではなく、まずはunprotected sexの有無を尋ねるようにしています。

(谷口 恭)