HIV/AIDS関連情報

2007年4月5日(木) パバナプ寺はヌード写真で集めた寄附金を受けとりません

 GINA発足のきっかけのひとつとなったパバナプ寺(ワッ・プラバーナンプー、Wat Phrabhatnamphu)は、現在でも世界最大のエイズホスピスとして機能しており、行き場をなくした数百人のエイズ患者さんたちが暮らしています。

 そのパバナプ寺に寄附金の申し入れがあったのですが、同寺はこれを受け取らないことを発表しました。

 この寄附金は、ある有名な雑誌が企画したもので、その雑誌に有名人男女32人のヌード写真を載せることによって多額の寄附金を集めようとしました。

 パバナプ寺の中心的人物アランコット氏は、マスコミの取材に対し、「そのような雑誌の企画について何も聞かされていなかった」、と答えています(報道は3月31日のバンコクポスト)。

 雑誌の主催者はパバナプ寺に対して、ファックスでこの寄附金の申し入れをおこなったそうです。

 タイ文化省もこの雑誌のイベントに対して不快感を表明しています。文化大臣のクニング・カイスリ・スリアローン(Khunying Khaisri Sri-aroon)氏は、次のようにコメントしています。

 「掲載されるヌードは確かに芸術的なものもありますが、なかには性的に挑発的なものも含まれています。チャリティで寄附金を集めるのは立派なことですが、方法が不適切と言わざるを得ません」

 また、国民文化委員会の事務局長プリサナ・ポンタシリクル(Prisana Pongtatsirikul)氏は、「裸になることは美しいことではないし、上品な女性のすることではありません」、とコメントしています。プリサナ氏は続けます。

 「すべてのチャリティは社会的に責任がありタイ国の文化の許容範囲内でおこなわなければなりません。特に服装については若い人々に与える影響も考慮すべきです。エイズに苦しむ人たちは、反社会的な寄附金をもらっても喜びません」

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 現在GINAが寄附している施設のなかにパバナプ寺も含まれていますが、同施設ではまだまだ寄付金が不足しています。

 パバナプ寺に寄附したい方がおられましたら、GINAが責任をもってお届けいたしますのでお気軽にお問い合わせください。(尚、GINAのポリシーとして、いただいた寄附金は経費などを差し引くことなく全額を寄附しております)

 また、パバナプ寺を訪問したい人がおられましたらお気軽にご相談ください。直接行かれてもいいかと思いますが、GINAから事前に連絡を入れておくとスタッフが時間をとってくれることになっています。

(谷口 恭)