HIV/AIDS関連情報

2007年4月2日(月) オーストラリアの役人がクビになる理由とは...

 新たなHIV感染の増加が止まらないオーストラリアで、日本では考えられないような理由で保健局の役人がクビになりそうです。

 3月31日のNEWS.COM.AUによりますと、前保健大臣のWooldridge氏は、「HIV陽性の男性がHIVを社会に蔓延させたのはヴィクトリア州の保健局の責任である」、とし、ヴィクトリア保健局局長をクビにするよう求めています。

 HIV陽性のこの男性は、HIVを故意に感染させようとしたなど合計106の性に関連する罪で来年から審議がおこなわれる予定です。前保健大臣は、「市民をHIV感染から守るためにこの男性をヴィクトリア州で監視の下に置くべきだった」、と述べています。

 この男性は、ヴィクトリア州から、オーストラリア州特別地域(ACT)やクイーンズランドに渡り、HIVを社会に蔓延させたとされています。

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 前保健大臣は、「ヴィクトリア州は国のエイズ政策に従わなかった」、としていますが、HIV陽性という理由だけで行政の監視の下に置くことが果たして適切な対策なのでしょうか・・・。

 故意にHIVを感染させたのは罪という考え方には同意できますが、性行為に同意した以上は相手にもある程度の責任はあるでしょう。今回の事件をきっかけにオーストラリアでHIV陽性者に対する差別が加速されないかが気になります。

(谷口 恭)