HIV/AIDS関連情報

2007年4月17日(火) ハワード首相がHIV陽性者の入国を拒否

 HIV陽性者は移住者としても難民としてもオーストラリアへの入国を拒否する!

 同国のハワード首相が4月13日、このような発言をおこない議論を呼んでいます(報道は同日のNEWS.COM.AU)

 ハワード首相は続けます。

 「なかには人道的な観点から受け入れを考慮すべき事例もあるかもしれないが、原則としてHIV陽性者の受け入れは認めない」

 ハワード首相は、オーストラリアでは結核患者の移民としての受け入れを拒否していることを引き合いに出し、これをHIV陽性者の移住拒否の理由のひとつとしています。

 ハワード首相がこのような見解を発表した背景として、ヴィクトリア州でのHIV陽性者の急増があります。過去2年間で同州に移住したHIV陽性者は4倍に増えています。

 同首相は、HIV陽性者の入国を禁止するような法改正についても言及しています。

 ハワード首相の発言に対して、オーストラリア連邦エイズ機構は反論しています。同機構によれば、ヴィクトリア州に移住してきて昨年感染が判ったHIV陽性者70名のうち、外国で生まれた者はわずか9名であり、残りはオーストラリア、もしくはニュージーランドの生まれです。

 また他のエイズ関連機関は、結核とHIVを同じように扱うのは明らかに不適切であると反論しています。空気感染する結核と性的接触がなければ感染しないHIVを同じようにみなすのは法的にも医学的にも合理的でないというのが理由です。

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 この記事からは、ハワード首相がHIV陽性の移住者及び難民のみを拒否しているのか、観光客の入国さえも拒否しているのかが分かりませんが、もしもすべての入国者がHIV陰性であることを証明しなければならなくなるとすれば、非難の声が大きくなるのは必至でしょう。

(谷口 恭)