HIV/AIDS関連情報

2007年2月6日(火) 初めての相手からHIVとC型肝炎ウイルスに感染

 性行為によって男性から女性にHIVとC型肝炎ウイルスが感染することは珍しいことではありませんが、それまで処女だった女性が初めての男性から恣意的にこれらを感染させられたとなると想像を絶する悲しみがあるに違いありません。

 現在スコットランドのエディンバラで、ある裁判がおこなわれており、この模様を1月31日のBBC NEWSが報道しています。

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 HIV関連の施設ではたらく47歳の看護師サラ・クーパー(Sarah Cooper)氏は、法廷で次のように証言をおこないました。

 「私がXさんにHIVとC型肝炎ウイルスに感染していることを告げなければならなかったときは本当にショックでした。最初私たちは互いに微笑みあっていました。けれどもXさんは突然表情を変え、怒りを表し、私に、それ以上言わないで!と言って思考することをやめてしまいました。Xさんは私をつかんで私の身体を揺すりました。そして膝をついて私の前でしゃがみ込み、お願いだからそれが嘘だと言って、とつぶやき泣き崩れたのです。Xさんは心を閉ざし何もできなくなり、子供のようになってしまいました」

 Xさんはエディンバラ在住の女性(年齢・本名は報道されていません)で、38歳のシェフの恋人からHIVとC型肝炎ウイルスをうつされたのです。ふたりは2003年の9月から2004年の2月まで交際をしていました。XさんにHIVとC型肝炎ウイルスをうつした男性は、感染していることを隠しコンドームを用いない性行為を強要していました。

 報道によりますと、この男性はこれまでに200人の女性と性交渉をおこなっていたそうです。男性自身はコンドームを使用していたと証言していますが、Xさんが2つのウイルスに感染したことからも分かるように、自身がHIVとC型肝炎ウイルスが陽性であることを知りながらそれを偽り危険な性行為を強要していたのです。

 Xさんにとって、この男性が初めての相手だったそうです。Xさんはこの男性のことを「化け物(monster)」と言っているそうです。

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 200人の女性と性交渉をおこない、それまで処女だった女性に対しても嘘をつき、HIVとC型肝炎ウイルスを感染させた罪は決して小さくないでしょう。恋愛は100あるとすれば100通りの恋愛があるわけで他人がとやかく言う問題ではありませんが、このケースが明らかな「犯罪」であることは自明です。

(谷口 恭)