HIV/AIDS関連情報

2007年2月28日(水) インドの女性がエイズを疑われ親戚に殺害される

 インド東部に位置するオリッサ州でとんでもない事件が起こりました。エイズを発症していると誤解された30歳の女性が、なんと同じ家に住む親戚に殴り殺されたというのです。

 2月26日のロイター・ヘルスによりますと、数年前に未亡人となったこの女性は数日間高熱に苦しんでおり、それをみた親戚数人が根拠もなく「エイズに違いない」と思い、この女性を殺しました。

 この未亡人の元夫は数年前に肝疾患で死亡しており、親戚たちはこの元夫もエイズを発症していたと思い込んでいたようです。地元の新聞報道によりますと、元夫も未亡人のこの女性もHIVに感染していたという証拠は何ひとつないそうです。

 この未亡人を殺害した親戚連中のふたりはすでに警察に逮捕されています。

 現在570万人と世界一のHIV感染者を有するインドでは、依然スティグマや差別が広く蔓延しており、感染者は感染を隠し、社会から身を潜めてなくてはならないという現状があるのです。

(谷口 恭)