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2007年1月4日(木) バンコクの繁華街で爆弾事件相次ぐ

 GINAのニュース、2007年の第1号は、GINAのミッションとは直接関係のない話ですが、タイに渡航する人、タイが好きな人にとっては、非常にショッキングなニュースです。

 Bangkok Postの2006年12月31日から2007年1月1日の記事をまとめてみますと、まず、12月31日の午後6時過ぎ、バンコクの繁華街計5箇所で爆弾事件がおこり、少なくとも3人が死亡、数十人が負傷したことが分かっています。5箇所とは、戦勝記念塔、クロントイ地区(日本人居住地の近く)、スクムビット62の交番、サパンクワイの交番、シーナカリンのショッピングセンターです。

 この連続爆弾事件を受けて、サイアムパラゴン前とセントラルワールド前で予定されていた年末恒例のカウントダウンは中止となりました。

 しかしながら、1月1日未明にセントラルワールド付近で爆弾事件が起こり、数人の外国人が病院に運ばれています。

 また、ほぼ同じ時刻にプラトゥーナム界隈の大型シーフードレストランの前で爆弾事件が起こり、食事をしていた3人の外国人と2人のタイ人が負傷しています。このうち1人の外国人は爆破により片足が切断されたそうです。

 31日の夕方以降、警察当局には様々な場所の爆弾情報が寄せられており、外国人が集まるカオサンロードやルンピニー公園のナイトバザー開催地からは実際に爆弾が撤去されたようです。

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 GINAのミッションには関係ないながらも、これまでこのコーナーでは、「タイ南部連続爆破事件」や「9.18クーデター事件」をお伝えしてきました。

 タイ南部の情勢は、最近ますます緊迫しており、公立学校は現在も閉鎖されたままです。しかし、この緊張の原因は南部3県の独立を求める声とムスリムの宗教的要素であり、政治的に分かりやすい構図があります。

 また、「9.18クーデター事件」は、タイ関係のマスコミが、「平和的クーデター」「形式的クーデター」などと呼んでいることからもわかるように、緊迫した雰囲気は一切なく、タイをよく知る人たちの間では、「いつものクーデターだから心配ない」と言われていました。実際、クーデターによって金融マーケットが閉鎖されたのはわずか1日、バーツは下がるどころか現在も高騰を続けていますし、観光客は減っていません。

 ところが、今回の年末年始のバンコク連続爆弾事件は、これらの事件とはまったく様相が異なります。

 今回爆弾事件が起こっている場所のほとんどは、日本人を含む外国人が特に密集している地域です。そのような場所をターゲットに無差別的な爆弾事件がおこなわれたのは、おそらくタイの歴史上初めてではないかと思われます。

 今回の連続爆破事件が与える影響は決して小さくありません。おそらく観光客は大幅に減少するのではないかと思われます。セントラルワールド、プラトゥーナム、戦勝記念塔、カオサンロード、ルンピニー公園、・・・・、これらはいずれもガイドブックに載っているバンコクの観光地として知られているところです。このような場所に安心して行けないとなると、多くの旅行者はタイ渡航を躊躇するでしょう。

 天災からも人災からも安全で、治安は東京や大阪よりも遥かにいいと言われてきたバンコクですが、この事件を境に「安全神話」は崩壊するのではないかと思われます。

 しかし、タイにはGINAの支援を引き続き必要としている方々がたくさんおられますし、GINAとしてもこれからますます支援をする人々を増やしていくつもりです。

 どれだけタイが危険な国になろうとも、GINAのミッションは変わることはありません。

(谷口 恭)