HIV/AIDS関連情報

2007年1月30日(火) カンボジアの売春婦が客を刺す

 (少し古い話ですが)12月8日のAP通信によりますと、カンボジアのバタンバン県の置屋で、24歳の売春婦が25歳の男性客の腹部を二度ナイフで刺し、男性は病院に搬送されました。

 地元警察によりますと、この男性客は売春代として5千リエル(約1.2ドル、140円)を支払いましたが、コンドームの使用を執拗に拒否したため売春婦は部屋を出ました。男性客は売春婦を追いかけ、コンドームなしの性行為ができないならお金を返せと言い、女性を殴り、身の危険を感じた女性は男性客の腹部をナイフで刺しました。

 地元警察の幹部は次のようにコメントしています。

「彼女はHIVなどの性感染症を予防しようと努めたんだ。しかし、客をナイフで刺した結果がどうなるかは司法の判断に委ねることになる」

 現在のカンボジアの成人(15歳から49歳)のHIV陽性率は1.9%です。カンボジア政府によりますと、教育、置屋へのコンドーム配布などの効果がでて、1997年には3%あった陽性率は減少しています。

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 売春婦が危険な目にあうリスクは少なくなく、GINAがタイの売春婦におこなった調査でも、69%が客からコンドームを用いない性行為を強要されたことがあると答えています。

 日本の性風俗店で働く多くの女性は、コンドームが使えないという現状に不安を感じています。これを改善するためには、(男性)客の意識を変えていくしかないでしょう。

(谷口 恭)