HIV/AIDS関連情報

2007年1月19日(金) 香港でHIV新規感染が急増

 1月4日のロイター通信によりますと、2つの大きな母集団(Large Clusters)の間でHIVの新規感染が急増しています。この母集団の詳細は明らかにされていませんが、2つの母集団の間にはなんら関係がなく、同時に急速に感染が広がったようです。

 これら2つの母集団には46人の男性が含まれていますが、当局によりますと、検査がまだ十分におこなわれておらず、実際の感染者はもっと多いことが予想されるそうです。特に、女性に対しては現時点で検査がほとんどおこなわれていないようです。

 46人の男性は2003年から2006年の9月までに感染が判明しており、HIVの遺伝子レベルの分析結果から、その集団内で感染が蔓延したものと専門家はみています。

 現在、香港政府は、コンドームを用いない性交渉の経験のある人はHIV検査を受けるように呼びかけています。

 香港ではこれまでも感染者が報告されていますが、ほとんどは配偶者や性パートナーからの感染で、今回ほど大規模の感染は例がありません。

 香港の保健関係の役人Wong氏は、「こんなことは初めてだ。これまでHIV感染率が低かった香港で急速にHIVが蔓延している。危険な性行為をおこなっている者たちの間で新規感染が広がっている。もしも彼(女)らがコンドームを適切に使用していればこんな事態にはなっていなかった」、とコメントしています。

 香港のHIV感染率は決して高くなく、およそ700万人の人口に対しHIV陽性者は約3,100人ですが、今後急速に増加していくかもしれません。

(谷口 恭)