HIV/AIDS関連情報

2007年1月15日(月) 英国、コンドーム使用率は上昇するものの・・・ 

 イギリスではコンドームを使う若者が増えてきているものの、新しい性パートナーを高頻度につくる者は"常に"は使用していない・・・

 イギリスでおこなわれたコンドーム使用状況の研究でこのようなことが分かり、ブライトン大学のジャッキー・カッセル博士(Dr. Jackie Cassell)が、医学誌「Sexually Transmitted Infections」に発表し、これを1月3日のReuter Healthが報道しています。

 この研究は、コンドーム使用状況の2つの調査を比較することによっておこなわれています。ひとつは、1990年に実施された調査で、16歳から44歳のイギリスに住む13,765人を対象におこなわれています。もうひとつは、2000年におこなわれた同様の調査で、こちらは11,161人を対象としています。

 16歳から24歳の男性でみると、「コンドームを使用している」と答えた者は、1990年に61%だったのに対し、2000年には82%まで上昇しています。同世代の女性では、42%から63%と、男性に比べると上昇率はそれほど大きくありません。一方、年齢が上の世代になると、コンドーム使用率は10年間であまり変わっていないようです。

 この研究で興味深いのは、コンドーム使用率が10年間で上昇しているのにもかかわらず、HIVを含めた性感染症への罹患率は逆に増加しているということです。

 カッセル博士は次のようにコメントしています。

「性感染症の罹患率が上昇しているのは、この世代の3人に2人が複数の性的パートナーを有している(過去4週間に2人以上と性交渉の経験がある)ことがひとつの原因であろう。彼(女)らは、常にコンドームを使用しているわけではない。コンドームは"常に"そして"正しく"使用されなければ性感染症の罹患を防ぐことはできない」

(谷口 恭)