HIV/AIDS関連情報

2006年9月6日(水) ザンビアの選挙でHIV/AIDS問題が争点になるか

 ザンビアでは9月28日に総選挙がおこなわれます。この日の選挙で、大統領だけでなく、国会議員、さらに地方議員も選出されるようですから、国民にとって非常に重要な一日になりそうです。

 9月4日のロイター通信によりますと、いくつかのHIV/AIDSに関連した市民団体が、この日の選挙でHIV/AIDS問題を重要な争点にするよう求めています。ザンビアの市民団体である「治療と教育の推進運動委員会」(上手く訳せません。原文は「Treatment Advocacy and Literacy Campaign」です)の幹部は言います。

 「すべての立候補者は、この国の最重要課題であるHIV/AIDSの問題に対して何をすべきかを公表すべきである。有権者はそれに基づいて誰に投票するかを決めるべきだ」

 この市民団体は立候補者全員に対してアンケートを実施するようです。アンケートには、「立候補する地域のHIV陽性者は何人いるか」「当選したらHIV/AIDS問題にどのように取り組むか」などといった項目も含まれているようです。

 ただ、そのアンケートの回答が、そのまま公約になるわけでも法的な強制力があるわけでもなく、実際の選挙戦の争点にはならないのではないか、と、この運動を批判的に見る向きもあるようです。

 ザンビアでは成人の5人に1人がHIV陽性であると言われています。全体でみると、およそ1千万人の人口に対して約160万人がHIV陽性です。このうち、抗HIV薬による治療を受けているのはわずか6万人だけです。

 ザンビアは日本人にとっては馴染みのない国かもしれませんが、イギリスの女優タンディ・ニュートン(Thandie Newton)の生まれた国と言えばお分かりになるでしょうか。彼女は5歳のときに政局不安から逃れるためイギリスに移住しています。ちなみに彼女の母親はジンバブエの王女です。

(谷口 恭)