HIV/AIDS関連情報

2006年9月28日(木) 「エイズはもはや死因とはならない」、米国の研究

 「ニューヨークに住むHIV陽性者の4分の1以上がエイズ以外の病で死亡している」、こんな発表を米国の研究者が9月18日におこない、同日のロイター通信で報道されています。

 この研究によりますと、ニューヨーク在住のHIV陽性者68,669人のうち、1999年から2004年の間に亡くなった人の26.3%がエイズ以外の原因で死亡しています。
1999年の時点では20%以下でしたから32%の増加となります。

 この研究は医学誌「Annals of Internal Medicine」に発表される予定で、エイズ以外の死因は、31%が違法薬物の乱用、24%が心疾患、20%がHIVに関係のない悪性腫瘍だったそうです。

 「HIV陽性者の多くがHIVに関係のない病で死亡している(要するにHIVは生命予後に関係がない)、ということをすべての医師は認識しなければならない」、とこの研究の執筆者であるニューヨーク大学のJudith Aberg医師は述べています。

 ただし、この事象はもちろん抗HIV薬を適切に内服した場合の話であって、抗HIV薬が入手できない地域では依然エイズは「死に至る病」であることは忘れてはなりません。

(谷口 恭)