HIV/AIDS関連情報

2006年9月28日(木) 男性と性交渉する男性の7割は既婚者

 医学誌「Annals of Internal Medicine」に最近掲載された興味深い研究が9月18日のロイター通信に報告されています。

 「自分は異性愛者」と申告するニューヨーク在住の男性のおよそ10%が、実際は過去一年間の間に少なくとも一度は男性と性交渉をしていることが分かったそうです。

 身体精神衛生局ニューヨーク支部(New York City Department of Health and Mental Hygiene)が、ニューヨーク在住の男性と性交渉をもつ男性4193人を調査したところ、そのうち70%が結婚していたそうです。

 そしてそのなかの大勢がコンドームを用いない性交渉をしておりHIV検査も受けていないことが分かりました。

 この調査をおこなった研究者は言います。

 「医師は患者の証言に惑わされることなく適切な質問をおこなって患者の性行動を聞きださなければならない。HIVの予防啓発は、ゲイであることを申告した人に対してではなく、アナルセックスのような危険な性行為をしている人に対しておこなわれなければならない」

 これは日本の医者も経験していることであって、患者さんはときに自分の性行動についてなかなか本音で話してくれません。この研究では、患者さんから聞き出さなければならない(need to ask patients about specific sexual practices)と述べていますが、それ以前に大切なのは、患者さんとの信頼関係の構築であることは言うまでもないでしょう。

(谷口 恭)