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2006年9月20日(水) バンコクでクーデター

 CHARMのミッションとは関係ありませんし、それほど重要な事件ではないと思うのですが、昨晩から世界中のメディアが一斉に報道し、今朝は日本のメジャーな新聞の一面にも載せられていることと、先日ハジャイの爆弾テロもご紹介したという経緯もあるので、一応バンコクのクーデターについてお知らせしておきます。

  現在、タクシン首相はニューヨークに外遊中であり、そのタイミングを見計らってなのか、陸軍主導のクーデターが発生し、タクシン政権から非常事態宣言が発表されましたが、クーデターは止められませんでした。

 市内ラジャダムノン通りに数百人の軍人と戦車が出動したため、そのシーンだけを見ると、大変な状態に見えないこともありませんが、タイではクーデターはよくあることで、実際、一般市民はそれほど気にとめていないようです。タイ・バーツもほとんど下がっていません。

 今回のクーデターは反首相派がおこしたもので、リーダーは先日、タクシン首相に軍のトップの地位を降格させられたソンティ司令官とみられています。軍のスポークスマンはタクシン首相の汚職の横行と国王への不敬に対してのクーデターで、タクシン政権を排除した後は、速やかに権力を国民に戻すことを表明しています。

 現在のところ、発砲はされておらず、死者・怪我人は報告されていないようです。
 
 バンコクでクーデターが起こっても、それほど国民が慌てずに静観していられるのは、プミポン国王に対する絶対的な信頼感があるからです。

 そういう意味では、先日のハジャイでのテロ(ショッピングセンターなど繁華街で合計6つの爆破があり少なくとも4人の死亡と80人以上の負傷者が確認されています)の方が事件性は大きいと思われます。(なぜか日本のメディアはほとんど報道していませんが・・・)

 なぜなら、タイ南部はプミポン国王に対する忠誠心がそれほど高くなく、以前から独立運動がさかんな、南部3県(ナラティワート、ヤラー、パッタニ)での緊張状態は高くなる一方だからです。

(谷口 恭)