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2006年9月18日(月) ハジャイで連続爆弾テロ

 GINAのミッションとはあまり関係がないのですが、タイで非常に重要な事件が起こりましたので報告しておきます。

 9月18日のBangkok Postによりますと、南部ソンクラー県のハジャイ(ゆっくり発音するとハートヤイ)で16日午後9時ごろから、ショッピング街を中心に、合計6回の爆発事件が起き、カナダ人観光客を含む4人が死亡、82人が重軽傷を負いました。

 16日は、最南部3県(ナラティワート、ヤラー、パッタニ)の独立を求めるイスラム過激派組織「ムジャヒディン・パッタニ同盟」の創立記念日であるため、大規模テロがハジャイで発生する可能性があり、空港や政府施設などの警備を強化していたそうです。ところが、繁華街のショッピングセンターは警備がそれほど手厚くなかったために狙われたとみられています。

 ハジャイでは来月二つのフェスティバルが開催されることもあって、現在は観光客が多いシーズンです。その時期に、観光客が最も集まるショッピング街での爆破テロだったというわけです。ハジャイは、特にマレーシアからの観光客が多く、年間およそ130万人ものマレーシア人が観光に訪れます。

 タイ南部では2004年の1月よりテロが相次いでいました。しかし、今回のように大勢の被害者が出たのは初めてで、あるツアーガイドは、「自分がハジャイに来てからの7年間でもっともひどいテロだ」、と言います。また、別のツアーガイドは、「これでハジャイでは仕事ができなくなった。これからはプーケットに渡ってガイドを続けるよ」、とコメントしているそうです。

 この爆破テロ事件報道とほぼ同じ時間に、もうひとつのニュースがBangkok Postで取り上げられています。

 タイの最南部ヤラー県の刑務所で17日、受刑者およそ100人が施設の一部に火をつける暴動を起こしました。これはイスラム教徒の受刑者に対し、イスラムの断食の儀式をさせなかったことが原因だそうです。当局は、看守3人を担当から外し、宗教的行為を行うことを許可し、ようやく暴動はおさまったそうです。

 Bangkok Postによれば、今後同様のテロが、バンコクやプーケットなど他の地域にも及ぶ可能性があるとの見方もあるそうです。

 ちなみに、今回爆破テロ事件が起きたソンクラー県は、当ウェブサイトに掲載したレポート「南タイの売春事情」の取材地域です。

(谷口 恭)