HIV/AIDS関連情報

2006年9月18日(月) タイ、セックス回数が少ないのは性産業のせい?

 9月13日号のバンコク週報によりますと、タイ人男性の70%、女性の75%がセックスに不満を抱いており、月間セックス回数は27か国中最下位との調査結果が9月12日に発表されました。

 この調査は、オーストラリアのセント・ルークス病院で性交渉関連分野の顧問をつとめるロシー・キング医師が、タイを含む27カ国で25歳から74歳までの男女12,563人を対象にして、昨年10月から今年3月にかけ行ったものです。

 (この調査を詳しく確認するために、世界中の著名なメディアや同病院のウェブサイトを調べましたが掲載されていませんでした。バンコク週報の取材力に"脱帽"です)

 この調査によれば、月間セックス回数の平均が6.48回。最多はブラジルの7.9回で、フランス、トルコと続きます。

 逆に、少ない国は、最下位がタイの4.2回で、台湾、韓国と続きます。

 セックスの満足度でみると、高い順に、メキシコ(男性78%、女性71%が満足と回答)、ブラジル、スペインで、最も低い国は韓国で(男性9%、女性7%が満足と回答)、イタリア、台湾と続きます。

 バンコク週報によれば、セックス回数の少ない3国、すなわち、タイ、台湾、韓国は、いずれも性産業の盛んな国で、男性側の実際のセックス回数がこの統計を上回っている可能性が高いとみています。

 この記事で気になるのは、日本が調査国に含まれていないということです。これら3国と同様、性産業の盛んな日本のデータをみてみたいものです。

 ところで、このような調査は他にもときどき目にします。例えば、2005年にコンドームの大手メーカーDurex社がおこなった国際比較調査によると、セックス回数が多い国は、ギリシャ(年間138回)、クロアチア、セルビア・モンテネグロと続きます。

 逆に回数の少ない国は、日本(年間わずか45回)、シンガポール、インドと続きます。タイは下から11番目で年間97回、台湾は下から8番目で年間83回、韓国はこの調査の対象国に含まれていません。

 セント・ルークス病院のデータではタイが最下位となっていますが、Durex社のデータを参照すると、日本はタイよりもセックス回数が少ないどころか、タイの半分以下ということになります。

 もうひとつ、今度はJournal of Sex and Marital Therapyという医学誌に今年の6月に掲載された調査結果をみてみましょう。

 この調査は、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド5カ国の40歳から80歳の6000人に対するセックスに関する調査です。

 この調査では、イギリス人男性の30%が過去12ヶ月に一度もセックスをしていないことが分かり調査国5カ国のなかで最低です。

 過去7日間に一度以上のセックスをしたかどうかを尋ねている項目では、イギリス人男性の41%、女性の33%のみがイエスと答えており、やはり調査5カ国のなかで最低だそうです。

 こういった調査は、回答者がどれだけ正確に答えているかどうか分かりませんし、夫婦間あるいは恋人間のセックスについては、他人からとやかく言われる筋合いはないと思うのですが、バンコク週報の指摘するように、性産業のせいで夫婦間のセックス回数が少なくなるのは問題でしょう。

(谷口 恭)