HIV/AIDS関連情報

2006年9月16日(土) インターネットがタイの若者の性行動を加速

 全体では新規感染者が減っているものの、最近は若い世代(特に10代)のHIV感染が問題になっているタイですが、インターネットがこの原因のひとつになっている可能性があります。

 9月15日のBangkok Postに、Thai Health Promotion Foundation's safe Internet projectという機関によって、最近タイでおこなわれたインターネットに関する調査結果が報道されています。インターネットを利用する10代の70%がチャットを通して見知らぬ人間と話したことがあり、約13%がチャットなどで知り合った者と性的関係を結んだ経験があることが判明しました。

 また、ネットを通じてセックスパーティーに参加し、犯罪に巻き込まれる女性も増えているようです。こういったパーティでは、違法薬物を強制され、レイプがおこなわれ、それがカメラを通してインターネットで配信されることもあるそうです。そして、レイプシーンのビデオはVCD(タイの画像メディアはDVDよりもVCDが一般的です)となり販売されているといいます。

 このため、タイ教育省は、父兄や教員に子供達のインターネット利用について監視を強化するよう呼びかけています。また、学校内のコンピュータには、わいせつサイトにアクセスできないようにするソフトをインストールする案も浮上しています。さらに、Pla Wan Projectと呼ばれるプロジェクトが立ち上げられ、このプロジェクトのウェブサイト(www.plawan.com)からは、教育や娯楽関係の有用なサイトだけにアクセスできるようになっているようです。
 
 メンタルヘルスの専門家で教育省のアドイザーでもあるYongyut Wongpiromsan氏は、子供部屋にコンピュータとテレビを置かないように父兄に求めることを提案しています。

 しかし、タイでは、インターネットカフェなどは日本よりもはるかに普及していますし、誰もが低料金でインターネットを利用できる環境にあります。

 このウェブサイトの完全タイ語版をつくってみれば多少の効果はあるでしょうか・・・。

(谷口 恭)