HIV/AIDS関連情報

2006年9月16日(土) 薬物取締警察官がカラオケ客を射殺

 以前からこのコーナーで何度もお伝えしているように、最近タイでは再び薬物の流通が増えてきています。タイが再び「ドラッグ天国」とならないように、タイ薬物取締警察の活躍に期待したいところですが、その期待を裏切るかのような事件が発生しました。

 バンコク週報9月15日号によりますと、13日の夜、バンコク都内ラクシー地区のカラオケ店で、バイクタクシーのドライバーが警察官に射殺されるという事件が起こりました。

 タクシン首相の違法薬物に対する政策は「疑わしきは殺せ」ですから(実際、これまでに2500人から5000人が違法薬物所持の疑いで射殺されており、そのなかには冤罪も少なくないと言われています)、このバイクタクシーのドライバーも薬物所持疑いで射殺されたのかと思いきや、なんと、カラオケでのマイクの奪い合いが原因だというのです。

 この警官が、カラオケに興じている客に、「もうマイクを置け。他の客にも歌わせろ」、と言ったことが原因で殴り合いになり、ついに警官は拳銃を取り出し至近距離で発砲したそうです。

 この警察官は被害者を射殺した後逃走し、現在も行方は分からないそうです。

 高い倫理観をもって仕事に望まなければならない薬物取締の警察官がこんな痴態を見せるようでは、この国が再び「ドラッグ天国」に舞い戻るのも時間の問題かもしれません・・・

(谷口 恭)