HIV/AIDS関連情報

2006年9月13日(水) 浮気相手にもコンドームを使わない米国の若者

 米国ロードアイランド州のブラウン医科大学で実施された「米国の若者に対する性行動の調査」が9月5日のCHINA dailyに掲載されていますのでここに報告します。この研究は「Journal of Adolescent-Health」という医学専門誌に掲載される予定です。(CHINA dailyによりますと、この記事はロイター通信配信となっていますが、ロイターのwebsiteにはなぜか掲載されていませんでした)

 この調査は、米国の3つの大きな都市に住む15歳から21歳の1316人を対象としたもので、コンドームの使用率は、性交渉の相手が浮気相手(casual relationship)であっても、特定の相手(serious relationship)のときとほとんど変わらないということが分かりました。浮気相手との性行為の回数は3ヶ月で平均20回にも及ぶそうです。

 回答者の65%が、過去3ヶ月の間に特定の相手とだけ性交渉をもっており、35%が特定の相手以外に少なくともひとりの浮気相手と性交渉をおこなっていました。特定の相手とだけ性交渉をもった者、浮気相手とも性行為をもった者のコンドーム使用率は、それぞれ37%、及び47%で、この数字に大きな差異はないとこの研究では結論付けています。

 浮気の場合、ある時期まではコンドームを用いるのですが、関係を重ねるうちに次第に使用頻度が減り、特定の相手のときと同じようになることが分かったそうです。

 この研究の責任者Celia Lescano医師は次のことも指摘しています。

 「10代の若者は、浮気相手との性行為の際コンドームを過大評価している。そして特定の相手との関係では、危険な性行為(コンドームを用いない性行為)を過小評価している。若者は常にコンドームを使うことの重要性を学ばなくてはならない。それはどのような相手に対しても、そしてその相手とどれだけ長期間の付き合いをしていても、である」

 この研究では、コンドームを使わなかった理由として、それが本当かどうかは別にして、パートナーがコンドームの使用を嫌がったと、回答した者が多かったそうです。

 Lescano医師は言います。

「コンドームを用いることによって相手が去っていくのではないかと考えている若い人が多いが、コンドームの必要性はほとんどの人が認めており、両者にとって性感染症のリスクが軽減することを思い出さなくてはならない」

 *****************

 3ヶ月で20回もの浮気を、コンドームを使用せずにおこなうのはかなり危険な行為と言えるでしょう。しかしながら、この研究が主張するように、特定の相手に対してもコンドームを義務付けるのは理想論にすぎないのではないかと私には感じられます。

 信頼関係があれば、一緒に検査をしてからはコンドームなしの性行為をおこなってもいいのではないかと私は思うのですが、この私の意見もまた理想論なのでしょうか・・・。

(谷口 恭)