HIV/AIDS関連情報

2006年9月13日(水) 現在の中国の問題点

 9月11日のロイター通信に、UNAIDSの事務局長Piot氏の中国に対するコメントが紹介されています。Piot氏は、HIV/AIDS問題に対する政策を180度転換させた中国当局を評価しながら、その政策を国全域に広げる必要があることを強調しました。

 Piot氏は現在の中国の問題点を指摘しています。

 東南アジアとの国境に位置する雲南省は、ヘロイン密売の中心地となっており、2010年までに同省のHIV陽性者は倍増し16万人にものぼるとみられています。中国は現在でも麻薬中毒者が多く、麻薬中毒者用のクリニックは現在300近くもあるそうです。Piot氏は、「インド、タイ、ベトナム、ロシアといった国々ではもはや麻薬に手をだしている人はほとんどいない」、とコメントしています。

 国民の意識にも問題があるようです。最近の調査で、国民の20%がエイズという病気について聞いたことがないという結果がでました。特に深刻なのがおよそ1億4千万人の出稼ぎ労働者で、彼らは貧困地域に育ちまともな教育を受けていません。

 Piot氏は警察が不適切であることも指摘しています。今年の初め、エイズ活動家のHu Jia氏が41日間の不当な抑留を強制されています。売春問題については、「財布のなかにコンドームが入っているという理由でその女性を売春婦とみなして逮捕するようなことはすぐにやめなければならない」、とコメントしています。

(谷口 恭)