HIV/AIDS関連情報

2006年8月16日(水) 北京でゲイ専用の公的チャットルーム誕生

 8月14日のロイター通信の報道によりますと、北京の公的機関である疾病管理局は、国内初のゲイ専用チャットルームを設立しました。チャットルームは「comradesフォーラム」という名称で、"comrades"とは中国語のスラングでゲイを表すそうです。

 ただ、設立されてから2ヶ月が経過した現在でも、利用者はほとんどおらず当局は頭を悩ませているそうです。この理由は、現在の中国では一応、公式に、ゲイは「精神疾患」ではないということになりましたが、実際はまだまだその誤解が解けていないことではないかと見られています。

 疾病管理局のスタッフは、「そのような心配は無用だ。ウェブサイトには、売春やわいせつ画像、その他つまらない内容は一切なく、ゲイの人が自分の気持ちを述べる、あるいはカウンセリングを目的としたものである」、と述べています。

 UNAIDSのデータによりますと、中国では、ゲイのうちHIV感染のリスクを理解できている者はわずか15%だけです。また、あるメディアは、およそ1千万人いる中国のゲイのなかでHIVが国内に広がっていることを知らない者が80%もいる、と報道しています。

 中国では、昨年新たにHIV感染が分かったのは約7万5千人で、これまでの累計は約65万人とされていますが、多くの専門家は、実際はそれよりも遥かに多いのではないかとみています。

(谷口 恭)