HIV/AIDS関連情報

2006年12月7日(木) 台湾のHIVは中国の薬物中毒者から

 台湾のHIVの特徴は、薬物中毒者の間で急速に広がっているということです。これについて11月10日のロイター通信が詳しく伝えていますのでご紹介いたします。

 「台湾で確認された多くのHIVは、中国西部の、特にゴールデントライアングルで確認されているものと同じタイプである」、と台湾のYangming大学の公衆衛生学教室教授のChen Yi-ming教授がコメントしています。
 
 同教授は続けます。

 「台湾ではみんながHIVの感染率は低いと思っている。しかし、薬物中毒者が急増していることを考えるといつまでも感染率の低い地域ではなくなる」

 台湾では、1988年に薬物中毒者にHIV陽性が初めて確認されてから、これまで約12,600人が感染したことが分かっています。これまでは低い感染率を維持していましたが、2003年頃から急激に増えだしました。昨年(2005年)は3,400人の中毒者が感染し、今年は3,000人前後であろうとみられています。

 台湾にはおよそ6万人の薬物中毒者が存在し、警察に押収される違法薬物の量は年々増加しているそうです。

 今年の7月には、台湾全域で、注射針の使いまわしによるHIV感染を防ぐため無料の注射針が配布されるようになりました。来年のHIV関連の予算におよそ2億8千万台湾ドル(約850万ドル、約10億円)があてられるそうです。

(谷口 恭)