HIV/AIDS関連情報

2006年12月22日(金) 中国のエイズキャンペーン

 12月1日は世界エイズデイですが、その前日(つまりエイズデイ・イヴ)に北京の建築作業員たちが、ツルハシを置き、コンドームとセーフセックスのパンフレットを持ってパレードをおこないました。11月30日のロイター通信が報道しています。

 現在北京では2008年のオリンピックに向けて多くの建築物が構築されており、地方からおよそ100万人の出稼ぎ労働者が集まってきています。出稼ぎ労働者は、たいてい独身でわずかな給料で現場の作業をおこなっています。中国のほとんどの地方では性教育がタブー視されていることもあり、北京にやってきた労働者の多くはHIVや性感染症に対する正しい知識を持ち合わせていません。

 中国保健省によりますと、2006年1月から10月に、中国ではHIV陽性者が約30%の勢いで増加しています。保健省は現在の中国のHIV陽性者を183,000人としていますが、UNAIDSは65万人とみています。現在保健省が懸念しているのは、薬物中毒者や売春婦から一般市民へのHIV感染です。

 エイズデイ・イヴのキャンペーンは北京の約5千人のタクシードライバーの間でもおこなわれたようです。12月1日から10日までの10日間、これらドライバーたちは乗客にエイズ予防のパンフレットを手渡していたそうです。

(谷口 恭)