HIV/AIDS関連情報

2006年12月21日(木) インドネシアのHIV感染、2010年に倍増

 インドネシアの人口は2億2千万人で世界第4位です。HIV/AIDSに関しては、インドネシア当局はエイズを発症したおよそ7千人しか把握していませんが(このうち1,651人はすでに死亡しています)、関連機関は現在のHIV陽性者は169,000人から216,000人とみています。

 適切な対策を取らなければ2010年のHIV陽性者は50万人にもなる・・・、現在インドネシア当局はそのような試算をしています。

 11月28日のロイター通信によりますと、インドネシア保健省のスパリ氏(Ms.Supari)は、「現在当局が把握しているHIV陽性者は氷山の一角であり、報告されていないケースがかなりある」、とコメントしています。

 インドネシアはおよそ17,000の島から成っており、医療へのアクセスは困難な地域も多く正確なデータが把握できていません。

 スパリ氏は言います。

 「当局が把握しているエイズ発症者の半数以上は薬物中毒者だが、現在感染を広げているのは売春婦とその顧客である。買春をしている者は250万人から380万人にものぼり、このうちコンドームを使用しているのはわずか15%である。そして売春婦と買春客が配偶者や子供への感染を広げている」

 インドネシアは現在エイズキャンペーンを展開しており、エイズの治療がおこなえる病院を増やすことに力を注いでいます。今後5年間で80億ルピア(約871百万ドル、約1,040億円)の予算を費やす予定です。

 インドネシアは世界で最もイスラム教徒の多い国ですが、その多くは性行為に対し自由な考えを持っていると言われています。多くの地域で売買春産業が主要な経済となっているのが現状です。

 一方で保守派のイスラム教徒は、コンドームの使用を促すようなキャンペーンに抵抗を示しており、禁欲とパートナーに対する忠誠を訴えています。 

(谷口 恭)