HIV/AIDS関連情報

2006年12月16日(土) インド人はペニスが小さくコンドームが使えない?!

 HIV感染予防にコンドームを使いましょう・・・

 聞き飽きた言葉かもしれませんが、目下のところHIVの最善の予防法のひとつがコンドームであることは自明です。

 しかしながら、コンドームにもいろいろな問題があります。最も深刻な問題はコンドームの材質のラテックスに対するアレルギー(*1)でしょう。そして、意外にこれまではあまり語られていなかったやっかいな問題があります。それは、コンドームの"サイズ"です。

 12月8日のロイター通信によりますと、インド人のペニスは世界的標準よりも小さいためにコンドームがフィットしないことが問題となっているようです。

 インド人のペニスが小さいというこの事実は、「インド医療研究委員会(Indian Council of Medical Research)」の研究により明らかとなりました。この研究はムンバイとニューデリーの18歳から50歳の1,400人の男性を対象におこなわれています。

 結果は、インド人男性のおよそ60%は世界的標準の勃起時のペニスのサイズより2.4cm短いことがわかりました。さらに残りの30%は少なくとも5cmも短いそうです。(記載はありませんが、10%のみが標準サイズということでしょう・・・)

 ペニスのサイズが小さいというのは実は大変危険なことです。現在世界で流通しているコンドームは、標準サイズのペニスに基づいてつくられています。サイズがフィットしないコンドームを用いれば、性交中に破れたり滑って外れてしまったりする可能性があります。

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 そういえば、以前エイズ関連の学会で、あるコンドームメーカーがラージサイズのコンドームのサンプルを配布していましたが、スモールサイズというのはなかったと思います。

 今回インドでおこなわれたようなペニスのサイズの国際比較研究がもっとおこなわれるべきなのかもしれません。

 HIV感染予防にコンドームを使いましょう・・・。予防啓発にこのセリフの一点張りでは効果が乏しいと考えるべきかもしれません。

注1 ラテックスアレルギーについては、谷口恭のHPに関連エッセィがあります。興味のある方はご参照してください。

(谷口 恭)